秋の困りごとと、使うもの
天気予報の湿度は9月も75%のまま。それでも喉が乾くのは、空気1立方メートルに入っている水が19グラムから16グラムへ減るからです。
9〜11月ごろの話です。
秋に多いのは、この4つです。当てはまるものから読んでください。
秋に出てくる困りごと
秋の長雨で洗濯物が乾かない
部屋じゅうのハンガーに洗濯物を掛けて、扇風機も当てた。それでも朝には湿っていて、鼻を近づけると生乾きのにおいがする。干し方が下手なのかと思っていませんか。

洗濯物から出た水は、部屋の空気の中にたまります。外へは出ていかないので、干している時間が長いほど部屋の湿度が上がり、次に干したものはもっと乾かなくなる。
しかも秋は気温が低いぶん、空気が受け取れる水の量が夏より少なくなっています。生乾きのにおいは、乾ききらないあいだに増えた菌のにおいです。
乾かない原因は干し方ではなく、出た水の行き先にあります。

サーキュレーター(風をまっすぐ飛ばす送風機)と除湿機では、役目が違います。サーキュレーターは洗濯物のまわりの空気を入れ替えるだけで、出た水は部屋に残ります。
除湿機はその水をタンクに集めるので、部屋の湿度が上がっていきません。衣類乾燥のモードがある除湿機なら、風を送ることと除湿を1台でこなせます。
解決すると……
5キロの洗濯物なら、衣類乾燥のモードで4〜5時間。夜10時に干せば、朝には乾いています。洗濯物を取り込むときに、鼻を近づけてにおいを確かめなくてよくなります。
部屋じゅうに掛けていた洗濯物が1か所にまとまるので、あいだをよけずにリビングを歩ける。乾かないから今日は洗わない、と洗濯を後ろへずらすこともありません。
チェックするポイント
- 箱の表に「衣類乾燥」の文字があるか。除湿だけの型は、風の向きを洗濯物へ向けられません。「2キロを◯時間で乾燥」と書いてあるものが部屋干し向けです
- 「除湿方式」の行。コンプレッサー式(空気を冷やして水滴にする方式)は、秋の室温20度前後の部屋干し向きです。冬に脱衣所でも使うならデシカント式(乾燥剤に吸わせてヒーターで乾かす方式)。または、その2つを組み合わせたハイブリッド式を選びます
- 表示されている除湿能力は、室温27度・湿度60%で測った値です(JIS C 9617)。20度の部屋では除湿能力がこの数字より落ちるので、能力がちょうどの型を選ぶと足りません
- 「除湿可能面積の目安」の行。木造◯畳/プレハブ◯畳/鉄筋◯畳の3つが並んでいます。いちばん大きい数字は鉄筋のものです。木造の家でその数字を基準に選ぶと、除湿の力が足りません
- タンクの容量は、除湿能力とセットで見ます。除湿能力10リットル/日の型なら、タンクに1時間で約0.4リットルたまります。タンクが4.5リットルあれば、夜に干して朝まで、満水で運転が止まりません
- 運転音のデシベル(音の大きさの単位。40デシベルが図書館の中くらい)。衣類乾燥の運転は50デシベル前後になる型が多い。寝ているあいだ除湿機を回すなら、「夜干し」「静音」の行に36〜39デシベルと書いてあるものを選びます
衣替えで虫食いが出る
初夏にちゃんと畳んでしまったはずのニット。秋に出してみたら袖に小さな穴。よりによって、いちばん気に入っている1枚だった。

穴があく原因は、秋に取り出した日ではなく、服をしまった日にあります。服を食べるのは虫の幼虫で、ウールやカシミヤなど動物からとれる繊維は、それだけでえさになります。
そのうえ、繊維に皮脂や汗、食べこぼしが残っていると、そこがとくに食われやすい。だから穴は、汚れが付いていたところにあきやすくなります。
袖口と襟に穴が多いのは、その2か所が肌にいちばん長くふれているからです。同じ箱に入れても、洗ってからしまった服は、洗わずにしまった服より食われにくくなります。

しまうときの手順は、服の汚れを落とす・ケースに虫を入れない・成分を服全体に届かせるの3つです。洗ってからしまえば、虫を寄せる汚れが落ちる。
フタの閉まるケースに入れると、虫が入るすき間が減ります。防虫剤は服の上に置きます。成分は空気より重いので、置いた場所から下へ降りていく。下に置くと、上のほうの服には届きません。
閉じたケースの中なら成分が外へ逃げないので、同じ防虫剤1個でも長くもちます。
解決すると……
来年の秋も、箱から出したニットをそのまま着られます。衣替えのたびに、袖を広げて穴を探さなくて済みます。防虫剤は1個200〜400円ほどで、有効期間は1年。
ニットを1枚買い直すことを思えば、ずっと安く済む。気に入った1枚を、何年も着つづけられます。
チェックするポイント
- パッケージの成分。ピレスロイド系(エムペントリン)は無臭で、ほかのどの防虫剤と一緒に使ってもかまいません。パラジクロロベンゼン・ナフタリン・しょうのうの3つは、種類のちがうもの同士を混ぜると溶け合い、衣類にシミや変色が出ることがあります。この3つから選ぶなら、家の中で1種類に決めます
- 「有効期間」の行。1年と書いてあるものを選ぶと、来年の衣替えの日に防虫剤を替えるだけで済みます。半年の型は、秋に入れると春先で切れるので、途中でもう一度あけて替えることになります
- 裏面の「◯リットルまでに1個」の行。衣装ケースの容量を見てから、入れる防虫剤の数を決めます。足りないと、いちばん下の服に成分が届きません
- 衣装ケースは、フタにパッキン(ゴムの縁)が付いているか。防虫剤の成分が外へ抜けないので、同じ1個が長くもちます
- ダウンと羽毛は、圧縮袋に入れない。羽の軸が折れて、出したあともふくらみが戻りません。畳んで、ゆとりのある袋に入れます
肌と喉が乾きはじめる
飲む水の量も、化粧水の量も変えていない。それなのに朝だけ喉がイガイガする。暖房もまだつけていないのに、どうして、と思う朝です。

秋になっても湿度の%はほとんど変わらないのに、空気の中の水は減っていきます。湿度の%は、「その気温で空気に入る水の限界に対して、いま何割入っているか」をあらわします。
気温が下がると、その限界が小さくなる。東京の平年値でみると、8月は26.9度・湿度74%で、空気1立方メートルに水が19グラム入っています。9月は23.3度・75%で16グラム。
10月は18.0度・71%で11グラムです(気象庁、1991〜2020年の平年値)。天気予報の%だけを見ていると、空気の中の水が減っていることに気づきにくくなります。

加湿器を置く場所によって、部屋に行きわたる水蒸気の量が変わります。床に直接置くと下のほうだけ湿り、窓ぎわに置くと出した水蒸気が窓で水滴に戻る。
床から70〜100センチ、ローボードやサイドテーブルの高さに置くと、水蒸気が部屋の空気にまざってから広がります。置き場所を先に決めてから、そこに載る大きさの型を選びます。
タンクに残った水は毎日替える。洗う部品が少ない型のほうが、冬のあいだ手入れを続けやすくなります。
解決すると……
朝起きたとき、寝室の湿度が50%前後に保たれています。枕もとの温湿度計が40%を割らないので、寝る前にタオルを絞って干す手間がなくなります。
8畳の部屋なら、1時間に水蒸気を200ミリリットルほど出せば足りる。2リットルのタンクで、ひと晩もつ量です。
冬に乾燥がひどくなるころには、置き場所も、水を替える段取りも決まっています。11月に入ってから、慌てて加湿器を探さずに済みます。
チェックするポイント
- 箱の表の方式。スチーム式(湯を沸かして蒸気を出す方式)は、水の中で菌が増えにくい。気化式(ぬらしたフィルターに風を当てて蒸発させる方式)は、熱を使わないぶん電気をあまり使いません。ハイブリッド式(この2つを組み合わせた方式)は、気化式より部屋が湿るまでが速いかわりに電気を使います
- 安くて数の多い超音波式(水を細かい霧にして飛ばす方式)は、タンクの水をそのまま飛ばします。水の中で増えたものも一緒に出るので、毎日タンクを洗いきる自信がなければ、ここで外します
- 消費電力の行。1時間に500ミリリットル出す型でそろえると、気化式は8ワット前後、スチーム式は300ワット以上かかります。1キロワットアワー(1000ワットの機器を1時間使ったぶんの電気)を31円として、1日6時間で計算します。ひと月の電気代は、気化式が約45円、スチーム式が約1,670円。ひと冬3か月で4,800円ほどの差になります
- 「適用畳数」(その機種で足りる部屋の広さ)の行には、木造和室◯畳/プレハブ洋室◯畳の2つが並んでいます。大きいほうの数字ではなく、自分の部屋の造りに合う行を見ます
- タンクに上から水を注げるか(上部給水)。本体を流しまで運ばずに、水を足せます。洗う部品が、タンク・フィルター・トレーの3つだけの型なら、手入れは週に1回で終わります
秋に家電を買おうとすると品薄
10月は、まだ寒くない。だから何もしない。そして12月のいちばん寒い夜、布団の中で通販を開いて「在庫切れ」の4文字を見る。毎年、自分の段取りが悪いせいだと思ってしまう。

暖房の家電は、寒くなる前に売り場に並び、寒くなるころには店にある数が減っています。探す人が増えるのは12月ごろで、新しい型が店に出そろうのは10月ごろです。
この2つの時期がずれているので、寒くなってから探すと選べる数が少なくなります。
だから買う時期は、気温ではなく、店に品物が並ぶ時期で決めます。10月に入ったら、この冬に使うものを1つずつ決めていきます。
新しい型が出たあとなので、前の年の型が値下がりするのも10月から11月です。最初の1つは電気毛布にします。消費電力50ワットの敷きタイプなら、1時間あたりの電気代は約1.6円。
1日8時間で約12円、ひと月で約370円です。エアコン暖房(730ワット)は1時間約23円。こたつの強(200ワット)は約6円かかります(1キロワットアワー31円で計算)。
解決すると……
寒い日は、毎年かならず急に来ます。その夜は、電気毛布を押し入れから出してコンセントに差すだけ。「今夜から使いたいのに、届くのは数日先」ということになりません。
型落ちの在庫が残っているうちなら、同じ予算でひとつ上の型が買える。12月に暖房のことを考える時間が、まるごとなくなります。
チェックするポイント
- 電気毛布は、敷きか、掛けか、掛け敷き兼用か。寝る前に布団を温めておくなら敷き。ソファで膝に掛けるなら掛け。どちらも使うなら兼用を選びます
- サイズ。敷き専用はシングルで130×80センチ前後、掛け敷き兼用は188×130センチ前後です。敷いて使うなら、ベッドの幅より大きいものは端が余ってしわになります
- 「丸洗いできる」と書いてあるか。電気毛布はひと冬使うと汗を吸うので、コントローラーを外して洗える型を選びます
- 消費電力のワット数。商品ページに電気代の円は書いていないので、この行から自分で出します。50ワットなら1時間約1.6円、8時間×30日つけっぱなしにしても約370円です。ただし寝るときは切るのが基本です(NITEの注意喚起)。寝る前に温めて、寝入るころに切れる切タイマーの付いたものを選びます
- 「ダニ退治」の運転があるか。対象は電気毛布そのものです。たたんで袋やふとんで包み、3時間ほど通電して、終わったら毛布に掃除機をかけます
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