12月のいちばん寒い夜に布団の中で通販を開いて、「在庫切れ」の表示を見たことはありませんか?
決めるのが遅かったせいだと思うかもしれません。実際には、店は寒くなる2か月前の10月に、冬物の棚をもう組み替えています。
暖房の家電を探す人がいちばん増えるのは12月ごろです。新しい型が店に並びきるのは10月ごろ。
暖房の家電は、棚に品物が並ぶ時期に合わせて決めます。
この記事はこんな方に向けて書いています
- 12月に暖房の家電が売り切れていて、ほしい型が買えなかった
- 10月のうちに何を決めておくのか、見当がつかない
- 電気毛布の敷きと掛けで、どちらを選ぶのか決められない
- 電気毛布とこたつとエアコンで、1時間の電気代がいくらになるのか知りたい
探す人が増える12月と、店に並びきる10月がずれています
冬に使う家電の売り場は寒くなる前にでき、寒くなると店にある数が減っていきます。
メーカーが新しい型を出すのは夏の終わりから秋にかけてで、店はそれに合わせて棚を組み替えます。並んでいる数がいちばん多くなるのが10月ごろ。そこから先は、売れたぶんだけ店にある数が減っていきます。
メーカーはその年に作る数を先に決めていて、冬のあいだに作り足しません。そのため、12月に売れた型は棚へ戻ってきません。
いっぽう、暖房の家電を探す人が増えはじめるのは、実際に寒くなってからです。「寒い」と感じた夜にはじめて通販を開くので、探す人がいちばん増えるのは12月ごろになります。
店に並ぶ数がいちばん多いのは10月、探す人がいちばん多いのは12月です。2つの時期には2か月のずれがあります。

そのため、12月に探すと選べる数が少なくなります。並んでいる型が悪いせいでも、探し方が下手なせいでもありません。12月の棚に残っているのは、10月に並んだ数から売れたぶんを引いた数です。
10月って、まだ扇風機を片づけていないころですよね
使いはじめるのは寒くなってからで大丈夫ですよ。買うのだけ10月に済ませておきます。
10月から11月は、前の年の型が値下がりします
10月に決めると、選べる数が多いうえに、値段でも得です。
店は新しい型を棚の前に出し、前の年の型をうしろへ回します。前の年の型は中身がほとんど同じでも、そこから値段が下がっていきます。新しい型が並ぶのが10月、前の年の型が値下がりしはじめるのが10月から11月です。
前の年の型なら、同じ予算でひとつ上の型が買えます。たとえば1万円で敷きタイプの電気毛布を選ぶつもりなら、前の年の型で丸洗いとダニ退治の運転が付いたものに手が届きます。
ただし、前の年の型はこのあと作り足されません。色とサイズは、残っているものから選ぶことになります。
決める順番は、窓・寝るところ・足元・部屋です
一度に全部を選ぶのは大変なので、順番を決めておきます。最初に手を入れるのは、熱が逃げていく窓です。そのあと、暖める範囲が狭いものから広いものへ順に決めます。
| 順番 | 手を入れるところ | 使うもの |
|---|---|---|
| 0 | 窓から逃げていく熱 | 断熱シート、すき間テープ、断熱カーテン |
| 1 | 寝る前の布団の中 | 電気毛布 |
| 2 | すわっているときの足元 | こたつ、床に敷く断熱マット、サーキュレーター |
| 3 | 部屋ぜんたいの空気 | エアコンの暖房、セラミックファンヒーター |
窓を0番にしたのは、家電より先に済ませておく作業だからです。家電をいくら足しても、暖めたそばから熱が窓へ逃げていきます。
1番から3番は、暖める範囲が狭いものから決めていきます。体の下を温めるだけで足りる夜なら、部屋を暖める大きな器具は要りません。消費電力は、体の下だけなら50ワット、足元のこたつで200ワット、部屋ぜんたいだと730ワットです。
家電を足す前に、窓をふさぎます
はじめに手を入れるのは0番の窓です。冬に暖房でつくった熱のうち58%は、窓と玄関ドアから逃げます(日本建材・住宅設備産業協会)。残りの熱は、壁と屋根、床、それに換気から出ていきます。
壁と屋根には断熱材が入っていますが、窓はガラス1枚か2枚だけです。家の中でいちばん薄いガラスの部分が、熱の大きな逃げ道になっています。
そのため、設定温度を上げる前に窓をふさぎます。
断熱シートは、ガラスの前に空気の層をつくるためのものです。動かない空気は熱を伝えにくいので、この空気の層が壁の代わりになります。サッシの合わせ目はすき間テープでふさぎ、窓で冷えた空気が下へ降りてくるのを止めるのは、カーテンの役目です。
すき間テープは、玄関ドアの下と枠にも同じものを貼れます。熱は窓と玄関ドアの両方から逃げるので、テープはドアにも回してください。
カーテンの丈が合っていないと、冷たい風が横から抜けます。掃き出し窓(床まであって、ベランダへ出られる窓)なら、裾が床に1〜2センチ触れる長さを選びます。腰高窓(腰の高さから上にある窓)は、窓枠より15〜20センチ長いものにしてください。
窓のために買うものは、断熱シートとすき間テープと断熱カーテンの3つ。掃き出し窓1つぶんなら、3つ合わせて4,000円前後です。窓が多ければ、シートとテープは窓の数だけ要ります。
お金がかかるのは最初の1回だけです。カーテンは翌シーズンもそのまま使えます。シートとテープは、はがれたり縮んだりしたときに貼り替えます。
窓の材料は品切れになりにくいので、貼るのは10月でなくてもかまいません。ただ、先に貼っておけば、あとから足した器具で暖めた熱が部屋に残ります。
ただし、断熱シートを貼れない窓もあります。ガラスに細い金網が見えるもの、ガラスが2枚重ねになっているもの、Low-Eガラス(金属の膜をつけて熱を通しにくくしたガラス)の3種類です。
断熱シートを貼ると、日ざしの熱がガラスにたまります。日の当たった部分だけが伸びてサッシに隠れた冷たい端との差が大きくなり、この3種類のガラスは割れます。ふつうの1枚ガラスは熱がすぐ逃げるので、そこまでの差がつきません。
金網と2枚重ねは、見れば分かります。Low-Eは見ただけでは分からないので、サッシに貼ってあるシールに「Low-E」か「複層」と書いていないかを確かめてください。
断熱シートを貼れない窓には、替わりのものがあります。内側に吊るす透明のカーテンライナー(カーテンの内側にもう1枚吊るす薄い生地)か、窓枠の下に立てる断熱ボード(発泡素材の板)です。
家電で最初に決めるのは、電気毛布です
1番の電気毛布から、電気代を計算してみます。1キロワットアワー(1000ワットの機器を1時間使ったぶんの電気)を31円としました。
| 消費電力 | 1時間の電気代 | |
|---|---|---|
| 電気毛布(敷き) | 50ワット | 約1.6円 |
| こたつ(強) | 200ワット | 約6円 |
| エアコンの暖房 | 730ワット | 約23円 |
敷きタイプの電気毛布は、1時間あたり約1.6円です。長めに見てひと月(1日8時間×30日)使っても約370円。
布団で使うときは、寝る前に温めておき、寝るときにスイッチを切ります。つけたまま眠ると、低温やけどや脱水のおそれがあるためです。
エアコンの暖房は、同じ1時間で約23円です。体の下だけを温めるなら1.6円、部屋の空気をまるごと暖めるなら23円で、14倍の開きがあります。
ご家庭の電気の単価と商品ページのワット数に入れ替えれば、同じ式で電気代を出せます。ワット数を1000で割り、使う時間と単価を掛けてください。
電気毛布を選ぶときに見る5つ
電気代の見当がついたら、次は売り場で選びます。並んでいる電気毛布は写真で見るとどれも似ているので、次の5つの点だけを確かめます。
① 敷きか、掛けか、掛け敷き兼用か
寝る前に布団を温めておくなら敷きタイプ、ソファで膝に掛けるなら掛けタイプ、どちらにも使うなら兼用です。先に使う場所を決めてから、3つのうちどれにするかを選んでください。
② サイズ
| 大きさの目安 | 向いている使い方 | |
|---|---|---|
| 敷き専用 | シングルで縦130×横80センチ前後 | 寝る前に布団を温める |
| 掛け敷き兼用 | 縦188×横130センチ前後 | 膝に掛ける。敷いても使う |
サイズは、ベッドの幅を測ってから決めてください。兼用は敷き専用よりひとまわり大きいサイズです。ベッドの幅より大きいものを敷くと、端が余ってしわになり、横になったとき背中に当たります。ベッドに敷くなら、選ぶのは敷き専用です。
③ 「丸洗いできる」と書いてあるか
電気毛布はひと冬使うと汗を吸います。手元のスイッチ(コードの途中にある温度の調節器)を外して洗える型を選んでください。
丸洗いの表示がある敷きタイプなら、冬の終わりに洗ってからしまえます。丸洗いできる敷きタイプの電気毛布は、丸洗いできる敷きタイプの1枚です。
④ 消費電力のワット数
商品ページに電気代は書いていないので、「消費電力」の行のワット数から自分で計算します。目安は、この記事の前半に出した電気代の表の、50ワットの行です。
⑤ 「ダニ退治」の運転があるか
ダニ退治の運転で温まるのは、電気毛布そのものです。ダニは50度を超えると生きられません。毛布をたたんで袋やふとんで包み、その温度を保ったまま3時間ほど通電します。包む布団は熱を逃がさないためのもので、その布団の中のダニまでは退治できません。
運転が終わったら、毛布に掃除機をかけてください。熱で動かなくなったダニの体とフンは毛布に残るので、掃除機で吸い取ります。
ダニ退治の運転は、敷いている布団にも使えるんですか
熱が回るのは毛布の中だけなので、下の布団のダニは残ります。
足元の寒さは、暖房を強くしても消えません
順番の2番は足元です。
暖かい空気は、同じ体積の冷たい空気より軽いので天井へ上がります。エアコンの温風が下りてこない部屋だと、天井付近と床で10度近い差がつくこともあります。
リモコンの設定が20度でも、床に近い空気は20度よりずっと冷たいままです。設定温度を上げても、先に暖まるのは天井付近の、誰もいない場所になります。
足元を暖めるために足すのは、熱ではなく、上と下の空気を混ぜる力です。サーキュレーター(風をまっすぐ飛ばす送風機)を天井へ向けて回すと、天井付近にたまった暖かい空気が壁を伝って下りてきます。
すわる場所が決まっているなら、こたつでも足元は暖まります。電気代は1時間で約6円。ただし、温まるのはこたつに入っているあいだだけです。
空気を混ぜても、床から逃げる熱は止まりません。床には断熱マットを別に敷いてください。厚みが10ミリ以上あると、床にじかにすわったときの冷たさが弱まります。
足元が冷たくなくなると、設定温度を1度下げても寒く感じません。
暖房を21度から20度にすると、年間で約53キロワットアワー、およそ1,650円ぶんの電気が減ります。外気温6度で1日9時間の試算です(資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)。
部屋を暖めるほうは、置く場所から決めます
敷きタイプの電気毛布で温まるのは、体の下だけです。部屋の空気は暖まりません。
順番の3番は、部屋を暖める器具です。器具は、値段より先に置く場所で選びます。
長い時間すわるリビングなら、エアコンの暖房か、2番で選んだこたつを使います。電気代は1時間で、エアコンが約23円、こたつが約6円です。すわる場所が決まっているなら、こたつはエアコンより電気代が小さく収まります。
脱衣所や洗面所、朝の台所のように、短い時間だけ人がいる場所には、セラミックファンヒーターが向いています。スイッチを入れると、すぐに温風が出る器具です。
ただし、1200ワットの型なら電気代は1時間あたり約37円です。エアコンより高いので、長い時間つける場所には向きません。つけっぱなしにすると、人がいない時間も1時間に37円ずつかかり続けます。
そこで、人感センサーの付いた型を選びます。人感センサーがあれば、人が前からいなくなったときに自動で止まるので、消し忘れたまま運転が続きません。
人感センサー付きのセラミックファンヒーターは、人感センサーの付いた1台です。脱衣所に置くなら、この型が合います。
10月に決めるときに間違えやすいのは、合図と畳数です
0番から3番まで決めるあいだに、間違えやすい点が2つあります。
① 気温を合図にしてしまう
寒いと感じた夜に通販を開くと、選べるのはその日に残っていたものの中からです。
しかも寒い日は、毎年かならず急にやって来ます。その夜から使いたくても、注文した品が届くのは数日先。待っている数日が、冬でいちばん寒い数日と重なります。
決めはじめる合図は、体感ではなく暦です。10月に入ったら、その冬に使うものを1つずつ決めていきます。
② 適用畳数を、大きいほうの数字で見る
大きいほうの数字を見て買う失敗は、順番の3番のエアコンで起こります。適用畳数(その機種で足りる部屋の広さ)を大きいほうの数字で見て選ぶと、部屋が設定温度まで暖まりません。
エアコンの商品ページには「木造の和室◯畳」と「鉄筋の洋室◯畳」が並んでいます。大きい数字が書いてあるのは、鉄筋の洋室の行です。木造は鉄筋より熱が逃げやすいぶん、同じ機種で足りる広さが小さくなります。
自分の家の造りに合う行の数字を見てください。
よくある質問
Q. 電気毛布だけで冬を越せますか?
敷きタイプで温まるのは体の下だけなので、朝いちばんに床へ足をつけたときの冷たさは残ります。足元の冷えと窓の水滴の対策は、冬の困りごとにまとめてあります。
Q. 12月に見つかったものは、買わずに待つべきですか?
待つ必要はありません。棚にあるなら買えます。ただ、選べる数が少ないので、5つの点のうち先に決めるのを2つに絞ります。敷きか掛けかと、丸洗いできるかの2つです。この2つを決めてから通販を開くと、残っている中からでも選べます。
Q. 10月に買っても、使うのは12月からになりませんか?
使いはじめるのは12月からで、それでかまいません。押し入れに入れておき、寒くなった夜にコンセントへ差すだけで済みます。
Q. 夏に使った送風機を、冬もそのまま使えますか?
真上を向けられる型なら使えます。商品名か写真で「上下首振り」「上向き90度」を確かめてください。
商品ページの到達距離は、風をまっすぐ前へ飛ばしたときの数字です。真上へ向けると風は重力で失速し、届く距離はカタログの4分の1ほどに落ちます。天井までの2.4メートルに届かせるには、到達距離10メートル以上の表示が要ります。
電気代は、20ワットの型を1日8時間まわして30日で約150円です。
Q. 「遮光1級」のカーテンなら、暖かくなりますか?
遮光の等級は光をさえぎる度合いを表したもので、熱を防ぐ度合いではありません。暖かさで選ぶなら、「断熱」「保温」と書いてある行を見てください。裏に別の生地を重ねた型(裏地付き・2枚仕立て)なら、2枚のあいだに空気の層ができるので、窓ぎわで冷えた空気が部屋へ出てくるのを弱めます。
まとめ
- 店に並ぶ数がいちばん多いのは10月、探す人がいちばん多いのは12月です。2か月ずれています
- 決める時期の目安は、店に並ぶ数がいちばん多い10月です
- 前の年の型が値下がりするのも10月から11月です
- 決める順番は、窓、寝るところ、足元、部屋ぜんたいの空気です
- 断熱シートとすき間テープと断熱カーテンは、掃き出し窓1つぶんで4,000円前後です
- 敷きタイプは50ワットで1時間あたり約1.6円。ひと月(1日8時間×30日)で約370円です
- 売り場で見るのは、敷きか掛けか・サイズ・丸洗い・ワット数・ダニ退治です
- 脱衣所のセラミックファンヒーターは1200ワットなので、1時間につき約37円かかります。人感センサーの付いた型なら、消し忘れても止まります
- 気温を合図にすると、その日に残っていたものから選ぶことになります
- 暖房の設定を21度から20度にすると、年におよそ1,650円ぶんの電気が減ります
秋の困りごとは、冬物の品薄のほかに、長雨の部屋干し・衣替えの虫食い・のどの乾燥です。これらは秋の困りごとと解決グッズにまとめてあります。窓の水滴、足元の冷え、暖房費については冬のページをご覧ください。
この記事で挙げたものを、もう一度並べます。
商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。
この話で使える便利グッズを、まとめて見る
- 秋の困りごと:秋に家電を買おうとすると品薄
天気予報の湿度は9月も75%のまま。それでも喉が乾くのは、空気1立方メートルに入っている水が19グラムから16グラムへ減るからです。 - 冬の困りごとと、使うもの
加湿器を強くすると窓が濡れ、窓の水滴を減らそうとすると今度は部屋が乾く。冬は、この2つが同じ時期に起きます。
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