暮らしの知恵ノート

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9月の朝、のどがイガイガして目が覚める。乾燥は冬より先に始まっています

2026/8/17

夏用の寝具のまま寝ていた朝、のどの奥がイガイガする。しかも唇が妙にかさつくこと、ありませんか?

わたしは季節の変わり目に、毎年のどをやられています(笑)

実はこれ、冷房のあたりすぎかなと思っていたんです。設定を上げてみました。でも朝のイガイガは同じ。

減りはじめていたのは、外の空気にふくまれる水のほうでした。

乾燥は暖房を入れてから、と思われがちですよね。ところが空気にふくまれる水は、9月から減ります。

加湿器を寒くなってから買うと、ほしい型が売り切れています。乾燥のほうが暖房より先に来るので、いま決めておくほうが選べますよ!

この記事はこんな方に向けて書いています

天気予報の湿度は、9月も下がりません

まず数字を見ます。気象庁が出している東京の平年値(1991〜2020年の平均)だと、月ごとの湿度はこうなります。

8月 9月 10月 11月
平均気温 26.9℃ 23.3℃ 18.0℃ 12.5℃
天気予報の湿度 74% 75% 71% 64%

9月の湿度は75%で、8月の74%より高い。 数字の上では、9月のほうが湿っているんですね。

それなのに9月の朝にのどが乾く。ここがまぎらわしいところです。

天気予報の「湿度」は、水の量ではありません

天気予報で見る「湿度75%」は、水の量そのものではありません。その気温で空気が抱えられる限界に対して、いま何割入っているかという割合です。

限界の量は、気温で変わります。暖かい空気ほど多く抱えられ、冷たい空気は少ししか抱えられません。

なぜそうなるのかというと、水が空気の中にとどまるには、水の粒が飛び回る勢いが要るからです。温度とは、その勢いの大きさのこと。暖かいほど粒は勢いよく飛び回るので、たくさんの水が空気の中にいられます。気温が下がると勢いが落ち、いられなくなった分は水滴に戻ります。

割合が同じでも、気温が下がれば中身の量は減る。 ここがまぎらわしさの正体です。

どれくらい減るのか。気象庁の平年値(気温と水蒸気の量)から、空気1立方メートルにふくまれる水の重さを出すとこうなります。

8月 9月 10月 11月
空気1m³あたりの水 約19g 約16g 約11g 約7g

8月から9月で3グラム、9月から10月でさらに5グラム減ります。天気予報の湿度が74%→75%と上がっているあいだに、中身の水は19g→16gへ減っている。体感が数字より先に来るのは、このためです。

気温が下がるとコップ(抱えられる限界)が小さくなる。湿度のパーセントは同じでも中の水は19g→16g→11gと減る

肌やのどの粘膜から水が逃げる速さは、割合ではなく、この中身の量との差で決まります。空気に入っている水が減るほど、逃げる速さは上がります。

やっかいなのは、この時期に暖房も加湿もしないこと。夏の道具は片づけて、冬の道具はまだ出していない。いちばん無防備な谷間が、9月から10月に来ます。

夜のあいだは、仰向けで眠ると下あごが下がって口が開きます。口で呼吸すると、鼻を通るときのような加湿がされないまま空気がのどに当たる。だから朝いちばんに、のどから気づく方が多くなります。

読者

まだ暑いのに、もう加湿するんですか?

編集

動かすのは10月からで大丈夫ですよ。ただ、買うのはいまのほうが選べます。

目安の湿度は50〜60%

建築物衛生法という法律があります。デパートやオフィスビルのような大きな建物に、空気や水の管理を義務づける法律です。そこでは室内の湿度を40〜70%に保つことになっています(厚生労働省)。

家には適用されませんが、人がいる部屋として許される幅の目安になります。

家で狙うのは、その幅の内側の50〜60%です。上と下、それぞれに理由があります。

40%ぎりぎりを下限にすると、湿度計の誤差にのまれます。家庭用のものは±5%ほどずれることがあるので、表示40%の部屋が、実は35%だったということも。余裕を見て50%を下限にします。

70%まで上げられないのは、部屋の中でも場所によって湿度に差が出るからです。 ここは前の節の仕組みが、そのまま当てはまります。空気にふくまれる水の量が同じでも、気温が下がれば抱えられる限界が小さくなる。だから冷えた窓ぎわは、部屋の真ん中より湿度が高くなります。真ん中で70%なら、窓ぎわは100%に届いて水滴に戻ります。

水滴に戻った状態が結露です。窓わくやカーテンが濡れたままになると、そこにカビが生えます。だから60%で止めます。

湿度計を1つ置いておくと、加湿しすぎも見えます。1,000円ほどのもので足りますが、精度(誤差の大きさ)が商品ページに書かれていないものも。±何%と書いてあるものを選ぶと、どこまで信じてよいかが分かります。

加湿器は4つの方式があります

方式の名前が並ぶところで手が止まりがちですよね。どうやって水を空気に移すかで整理すると、早く決まります!

気化式は、濡れたフィルターに風を当てて自然に蒸発させる方式です。熱を使わないので電気は少なめで、吹き出す空気も熱くなりません。ただし自然に蒸発する速さより速くは出せないので、部屋の湿度が上がりはじめるまで(立ち上がりといいます)に時間がかかります。

スチーム式は、水を沸かして蒸気にする方式です。沸かすあいだに水の中の菌が減るので、タンクまわりの手入れは4方式でいちばん軽くなります。部屋が温まる副産物もついてきますが、水を100度まで上げるぶん、電気の使用量は4方式でいちばん多くなります。

超音波式は、水を細かく震わせて霧にして飛ばす方式です。震わせるだけなので電気は少なく、本体も安く、デザインの選択肢が広くなります。ただし加熱しないので、タンクで増えた菌もそのまま霧に乗って部屋へ出ます。こまめな手入れが要るのは、そのためなんですね。飛ばすのが水滴なので、水道水にふくまれるミネラル分が乾いて、家具の上に白い粉として残ることもあります。

ハイブリッド式は、2つの方式を組み合わせたもの。気化式のフィルターに温風を当てるタイプなら、温風のぶん蒸発が速くなって立ち上がりが速く、目標の湿度に届いたらヒーターを切って気化式として回すので電気が下がります。

ここで注意が1つ。売り場の「ハイブリッド式」には2種類あります! いま書いた「加熱+気化」のほかに「加熱+超音波」があり、後者はフィルターがない代わりに霧を飛ばします。前者は毎年のフィルター代がかかり、後者はかかりません。手入れの中身も、フィルターを洗うか、タンクをこまめにすすぐかで入れ替わります。商品ページで組み合わせを確かめてください。

電気の使用量 運転音 タンクの手入れ フィルター 立ち上がり 本体の値段
気化式 少ない 静か(送風のみ) 週1回 あり ゆっくり 1万円〜
スチーム式 多い 沸くときの音 軽い なし 速い 6,000円〜
超音波式 少ない いちばん静か こまめに必要 なし 速い 3,000円〜
ハイブリッド式 中くらい 静か 週1回 組み合わせによる 速い 8,000円〜

(本体価格は2026年8月時点の売り場のおおよその下限です)

買う前に確かめる4つ

① 適用畳数は「木造・和室」の数字を見る

適用畳数というのは、その機種で湿度を保てる部屋の広さの目安です。1畳はおよそ1.6平方メートルなので、8畳は13平方メートルほど。商品ページには2種類書かれていて、木造の和室のほうが小さい数字になります。木造の和室はすき間が多く、加湿した空気が外へ逃げやすいからです。

プレハブ(工場で作った板を現場で組み立てる建て方)の洋室は、外とつながるすき間が少ないぶん逃げにくいので、同じ機種でも広い部屋まで届きます。大きいほうの数字だけ見て買うと、木造のお宅では能力が足りません。 小さいほうの数字で、自分の部屋に足りるかを確かめてくださいね。

② タンクの容量と、給水の口の大きさ

6畳から8畳向けの機種は、1時間に300〜400ミリリットルほどの水を出します。夜どおし8時間まわすと2.4〜3.2リットル。4Lあれば、朝まで給水なしで持つ計算です!

強めに回したい方や、10畳以上の部屋の方は1時間あたりの量が増えるので、6L前後を選んでください。ただし水1リットルは1キロなので、6Lなら水だけで6キロ。本体の重さが加わるので、満水のまま持ち上げるのは大変になります。

そして意外な落とし穴が給水の口です。手が入らないタイプは、内側を洗えません。

タンクを外さず上から水を注げるものを「上部給水」と呼びます。シンクまで運ばずに済むぶん楽。ただし上部給水でも内側に手が入るとは限らないので、口の大きさは別に見てください。

③ フィルターの交換費用

気化式と、気化式を組み合わせたハイブリッド式にはフィルターがあります。交換の目安と値段を、買う前に見ておいてください。

計算してみると分かります。上の表だと、スチーム式が6,000円から、気化式が1万円から。本体では気化式が4,000円高いことになります。そこへ気化式のフィルター代が年3,000円かかるので、2年目には差が1万円に開きます。逆にスチーム式は電気代が高いので、そちらとの足し引き。何年使うかを決めてから比べてください。

④ 切タイマーと湿度の自動運転

切タイマーというのは、決めた時間で運転を止める機能のことです。自動運転は、内蔵の湿度計を見て強さを変える機能。

この2つのどちらかがあると、つけっぱなしで70%を超えるのを止められます。50〜60%になると自動で弱まるものを選べば、朝まで放っておけちゃいます!

この4つで絞ると、置く部屋で2つに分かれます

値段は2026年8月時点の売り場の目安です。価格も在庫も動くので、購入前にご確認ください。

寝室に置くなら、大容量の気化式

1万円台から。熱を使わないので吹き出し口が熱くならず、音も静かです。タンクが6L前後あると、給水が寝る前の1回で済みます。

難点は立ち上がりの遅さです。帰宅してすぐ湿度を上げたい部屋には向きません。フィルター代も毎年かかります。

リビングで早く上げたいなら、ハイブリッド式

8,000円台から。立ち上がりが速く、届いたあとは電気を抑えます。リビングは人の出入りでドアが開くぶん、加湿した空気が逃げやすいので、追いつく速さが要ります。

売り場でレビューが多いのは、上部給水で10L前後の大容量タイプです(★はレビューの平均点、5点満点)。UV除菌機能つきの上部給水ハイブリッド加湿器(★4.37・6,125件・12,999円)のように、上から注げてタンクを持ち運ばずに済むものが選ばれています。ハイブリッドの組み合わせ(加熱+気化か、加熱+超音波か)は機種で違うので、商品ページの仕様欄で確かめてください。

ただし大容量は本体も大きくなります。10Lクラスは満水で11キロ近くになるので、置き場所を決めてから注文してください。

逆に、避けたいもの

給水口に手が入らない超音波式です。値段は魅力ですが、加熱しない方式なので手入れが前提なのに、その手入れができません。内側を洗えないまま冬を越すことになります。

置き場所と水の入れ替えで、やりがちな失敗

窓ぎわに置く

空いている場所なので、つい選んでしまいます。ところが冷たいガラスのそばでは、出した水分をふくむ空気が冷やされて、抱えていられなくなった分が水滴に戻る。部屋を加湿するはずの水が、窓ガラスの結露に変わってしまいます。

湿度計の数字は上がらず、窓だけ濡れる。置くなら部屋の真ん中寄り、床から少し高いところへ。

エアコンの吹き出し口の下に置く

エアコンから出る風は、除湿されて乾いています。その乾いた風が加湿器の湿度センサーに当たると、部屋はもう50%あるのに「まだ乾いている」と読み違えて、加湿器が強いまま回り続けます。

窓が結露するほど出しているのに数字が上がらない、という形で表に出ます。エアコンからは離してください。

継ぎ足しで水を使う

タンクに残った水に足していく形です。残った水に菌が増え、そこへ新しい水を足すと、増えた菌ごと薄めて使うことになります。

毎回すすいで入れ替えます。面倒ですが、においが出てからだと落とすのが大変です。

編集

置き場所は真ん中、水は毎回入れ替え。この2つですね

売り場が秋冬に入れ替わるのは10月から

置き場所まで決まったら、あとはいつ買うかです。家電の売り場は、季節ごとに品ぞろえが入れ替わります。加湿器が棚の前に出てくるのは、寒くなりはじめる10月から11月にかけて。

裏を返すと、人気の型はそこで売り切れます。動かすのは10月からでかまいませんが、決めるのを8月に前倒ししておくと、比べる時間が取れますよ!

電気毛布と湯たんぽも同じ流れで、こちらは11月に棚の前へ出てきます。

よくある質問

Q. 濡れタオルを干すのではだめですか?

電気代0円で試せるので、まず今夜やってみる価値はあります。ただし部屋ぜんぶとなると足りません。数字で見ると理由が分かります。

6畳の部屋の体積は、およそ23立方メートル(3.6m×2.7m×高さ2.4m)。室温20度で湿度を10%上げるのに要る水は、計算すると40ミリリットルほど。バスタオル1枚が含む水は200ミリリットルなので、一見すると足ります。

計算のもとは、20度の空気が抱えられる水の限界(1立方メートルあたり約17グラム)です。その10%が1.7グラム。23立方メートルぶんで約40グラム。水は1グラムが1ミリリットルなので、40ミリリットルになります。

足りなくなるのは、部屋の空気が入れ替わるからです。いまの住宅は、シックハウス対策として1時間に部屋の空気の半分を入れ替える換気が建築基準法で義務づけられています。だから上げた湿度は、放っておくと下がります。保つには出し続けなければなりません。6畳向けの加湿器が1時間に300〜400ミリリットル出すのは、この入れ替わりに追いつくためです。

バスタオルは一晩8時間かけて200ミリリットルなので、1時間あたり25ミリリットル。加湿器の10分の1にも届きません。枕もとに1枚なら顔まわりの空気は湿ります。ただし部屋ぜんぶとなると、湿度計の数字は1%も上がりません。

Q. 空気清浄機についている加湿でも足りますか?

置き場所が1つで済むのはありがたいです。ただし加湿の能力は、専用機より控えめに設定されているものが多くなります。空気清浄機は空気を吸って出す機械なので、加湿を強くすると内部が濡れてフィルターが傷むからです。置き場所を優先するなら一体型、加湿の力を取るなら分けてください。

Q. 電気代はどれくらいですか?

電気の値段は1kWh(1,000ワットの機械を1時間使う量)あたり31円とします。全国家庭電気製品公正取引協議会という、家電の表示ルールを決めている団体が出している目安の単価です。寝ているあいだ8時間まわす前提で出してみます。ワット数は、売り場に並ぶ6〜8畳向けの機種のおおよその値です。

気化式を15Wとすると、8時間で0.12kWh。1日あたり約4円です。ひと冬(11月から3月のおよそ150日)で約560円。

スチーム式は200Wとして8時間で1.6kWh、1日あたり約50円。150日で約7,440円になります。

差はひと冬で約6,900円。本体価格の差より大きくなります。 寝室でつけっぱなしにするなら気化式、という分かれ方はこの計算から来ています。リビングのように短時間で上げたい部屋では、立ち上がりが速くて、届いたあとは電気を抑えるハイブリッド式が中間に入ります。

Q. のどが痛いだけなら、マスクで寝るのでも?

吐いた息にふくまれる水分がマスクの内側にとどまり、それをまた吸うことになるので、のどに当たる空気は湿ります。肌や唇の乾燥までは追いつきませんが、今夜すぐできる手としては現実的です。

Q. ハイブリッド式は、どちらの組み合わせを選べばいいですか?

フィルター代を払いたくないなら「加熱+超音波」、部屋に霧を飛ばしたくないなら「加熱+気化」です。霧は水滴なので、家具の上に白い粉(水道水のミネラル分)が残ることがあります。気化式の系統はフィルターの上で蒸発させるため、この粉が出ません。

まとめ

今年は、のどをやられる前に1台置いておきたいですね。

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