暮らしの知恵ノート

布団が冷たくて寝つけない夜は、入る前に温めて、眠るときは熱を止めます

2026/9/29

布団に入ると、シーツがひやっとして思わず体を丸める。30分たっても足先が冷たいままで、なかなか眠れない。そんな夜はありませんか?

電気毛布を朝までつけたまま寝ている人も多いと思います。けれど、製品の事故を調べている製品評価技術基盤機構(NITE)は、別の使い方を呼びかけています。電気毛布で寝る前に布団を温めておき、眠っているあいだはスイッチを切る使い方です。

布団に入ってから眠るまでには、スマホを見たり本を読んだりする時間が少しあることが多いはずです。布団を温めるのは入る前。入ったら弱めて、眠るときには熱を止めます。

そのため、布団乾燥機や電気毛布、湯たんぽを選ぶときは、どれだけ暖かいかより、いつ熱を出していつ止まるかを見てください。

この記事はこんな方に向けて書いています

  • 布団に入ってから、足先が温まるまでに時間がかかる
  • 電気毛布をつけたまま寝てよいのか、迷っている
  • 布団乾燥機・電気毛布・湯たんぽのどれを使うか決めたい

布団は、自分では熱を出しません

布団の中が冷たいのは、布団が寝室と同じ温度まで冷えているからです。

掛け布団も敷き布団も熱を閉じこめるためのもので、熱は作りません。暖房を切った寝室が10度なら、昼のあいだに干した布団も、夜にはその温度に近づいています。

布団に入ったあとは、自分の体が布団を温めます。体の熱はシーツと布団の生地へ移り、布団の中が温まるまで、冷えた布団を温めるのに使われ続けます。

体の熱が先に布団へ取られるので、入ってしばらくは冷たいままです。

足先は、体の中でもとくに冷えやすい場所です。足を置く布団の裾は胸やおなかからいちばん遠く、体の熱が届くのはいちばん最後になります。

布団に入った瞬間のひやっと感は、シーツの生地でやわらげられます

同じ温度の布団でも、ふれたときのひやっと感の強さはシーツの生地で変わります。

冷たさの感じ方を決めるのは、肌の熱が生地へ移る速さです。綿のなめらかなシーツは肌にぴったりふれるので、熱がすぐ生地へ移り、ひやっとします。

フランネルのような起毛の生地は、起こした毛の先で肌にふれます。ふれる面が小さいぶん熱がゆっくり移るので、同じ10度の布団でもひやっと感がやわらぎます。

夏に売られる「接触冷感」のシーツは、逆の作りです。接触冷感というのは、熱が生地へすばやく移るようにして、ふれたときに冷たく感じさせる生地のことです。冬は、フランネルのような起毛の生地を選んでください。

ただし、生地を替えても布団の温度は上がりません。入ったときのひやっと感はやわらいでも、足先が温まるまでの時間は布団の温度しだいです。

冷たさは、布団の下からも来ます

布団の中の熱は、掛け布団の側からも敷き布団の側からも逃げます。敷き布団は体の重さでつぶれていて、生地のあいだの空気の層が薄くなっています。そのぶん、熱は下へ通りやすい状態です。

床に直接布団を敷いている部屋では、床の冷たさが下からそのまま伝わります。暖房を切った夜の床は、部屋の中でも冷えやすい場所です。

掛け布団を何枚も重ねても、下から逃げる熱は止まりません。1枚足すなら、掛け布団より先に体の下へ敷き毛布を足してください。

敷き布団がつぶれる話は、残暑の寝苦しさの記事でも書きました。夏に背中だけ蒸れる原因も、このつぶれです。

足先が冷えたままだと、寝つきにくいことがあります

足先の冷たさは、寝つきにもかかわります。

厚生労働省の健康情報サイト(e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」)によると、人の体は眠りに入るとき、熱を外へ逃がして体の中の温度を下げます。熱を逃がすのは、主に手のひらと足の裏です。

足先が冷えていると血管が縮み、熱を逃がす出口がせまくなります。すると体の中の温度が下がりにくくなり、寝つくまでに時間がかかることがあります。

逆に、温めすぎもよくありません。同じページには、厚手の靴下や電気毛布で手足を温めすぎると熱が逃げにくくなり、眠りの質が下がることもあると書かれています。

温めたいのか、冷ましたいのか、どっちなんですか

両方です。布団に入るときには布団が温まっていて、眠るころには足から熱を逃がせるようにしておきます。そのために、布団は入る前に温め、眠るときには熱を止めます。

布団を温める道具は、いつ熱を出すかで分けます

売り場では、布団乾燥機は家電の棚、湯たんぽは日用品の棚と、別々に並んでいます。それでも、どちらも布団を温める道具です。

違いは、熱を出す時間帯にあります。

道具 熱を出す時間 布団に入ったらすること
布団乾燥機(あたためモード) 入る前だけ 何もしない(入る前に止まる)
電気毛布 スイッチを入れてから切るまで 目盛りを下げて、眠るときに切る
湯たんぽ お湯を入れてから、少しずつ冷めていく 布団から出す
起毛のシーツ・敷き毛布 熱は出さない そのまま

布団乾燥機・電気毛布・湯たんぽは、入る前に布団を温めるためのものです。起毛のシーツと敷き毛布は熱を出さず、入ったときのひやっと感をやわらげます。

どれを選んでも、使い方の順番は変わりません。温めるのは入る前で、眠るときには熱を止めておきます。

眠るときに熱を止めるのは、低温やけどを防ぐためでもあります

熱を止める理由には、寝つきのほかに低温やけどもあります。

低温やけどは、熱いと感じない温度のものに体の同じ場所が長くふれていると起きるやけどです。NITEは、低温やけどになるまでの時間を次のように示しています。

肌にふれている温度 低温やけどになるまで
44度 3〜4時間
46度 30分〜1時間
50度 2〜3分

電気毛布には、「強」にすると表面が50度前後になる型もあります。

眠っているあいだは熱さに気づきにくく、同じ姿勢のままになりがちです。体の同じ場所が体重で押さえつけられていると、低温やけどはもっと短い時間で起きます。お年寄りは熱さを感じにくいので、低温やけどが重くなりやすいとNITEは書いています。

弱なら、一晩つけていても平気ですか

NITEは、布団に入るころには低い目盛りに下げて、眠っているあいだは切るよう書いています。弱でも、同じ場所にふれ続けるのは避けてください。

布団乾燥機の使い方と電気代

布団乾燥機は、布団のあいだにホースの先を差しこんで温風を送る家電です。名前のとおり本来は湿気を飛ばすための家電ですが、短い時間だけ温める「あたためモード」の付いた機種があります。

あたためモードで入る前の布団を温めると、入るころには運転が止まっています。表の家電のうち、寝ているあいだに熱を出さないのは布団乾燥機だけです。

電気代を計算してみます。あたためモード付きの布団乾燥機(アイリスオーヤマ カラリエ)は、いくつかの型から選ぶページです。そのうちベーシックの型のFK-EC2は、最大690ワットと表示されています。最大のワット数のまま15分動いたとすると、使う電気は0.17キロワットアワーです。1キロワットアワーというのは、1000ワットの機器を1時間使ったぶんの電気のこと。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価である1キロワットアワー31円で計算すると、1回約5円です。毎晩30日使えば、ひと月約160円になります。

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あたためモード付きの布団乾燥機(アイリスオーヤマ カラリエ)

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弱点は手間と音です。毎晩、布団に入る前に本体を出してホースを差しこみ、終わったら片づける手間がかかります。温風を送るあいだは、運転の音も出ます。

向いているのは、布団に入る時間がおおよそ決まっていて、その前に寝室で準備ができる人です。

電気毛布をつける時間

冷えは敷き布団の側からも来るので、電気毛布は体の下に敷く敷きタイプを基本に選びます。体の下を温めると、足先から背中まで布団の下側が温まります。

布団に入る30分ほど前にスイッチを入れて、布団を温めておいてください。入ったら目盛りを下げ、眠るときに切ります。

50ワットの型で計算すると、30分で使う電気は0.025キロワットアワー。1キロワットアワー31円で1回約0.8円、30日でひと月約23円です。入ってから眠るまで低い目盛りでつけておくと、そのぶんの電気代が少し足されます。

一晩8時間つけっぱなしにすると、1回約12円、ひと月約370円です。入る前の30分だけなら、つけっぱなしの16分の1で済みます。

丸洗いできる敷きタイプの1枚が丸洗いできる敷きタイプの電気毛布(シングル・130×80cm)です。消費電力は40ワットなので、電気代は上の計算より少し安くなります。

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丸洗いできる敷きタイプの電気毛布(シングル・130×80cm)

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敷きか掛けか、サイズ、丸洗い、ダニ退治の運転まで、売り場で見る点は暖房家電の品切れの記事の後半にまとめてあります。

「タイマー付き」には、切る時間を選べる型と選べない型があります

切る前に眠ってしまいそうなら、タイマーを使ってください。ただ、商品名に「タイマー付き」とあっても、タイマーには2種類あります。消し忘れを防ぐタイマーと、切る時間を選べるタイマーです。

消し忘れを防ぐタイマーは、スイッチを入れてから8時間などの決まった時間がたつと自動で切れます。時間は選べません。

切る時間を選べるタイマーなら、切れるまでの時間を1時間きざみなどで自分で決められます。

切り忘れに備えるなら、切る時間を選べる型にしてください。布団に入って目盛りを下げるときにタイマーを1時間に合わせておけば、切る前に眠ってしまっても1時間後には止まります。

商品ページのタイマーの行に「1〜12時間」のように幅が書いてあれば、時間を選べる型です。「8時間で自動オフ」とだけあれば、消し忘れ防止の型です。

湯たんぽはいつ出すか

湯たんぽは電気を使わないので、コンセントの位置を気にせずに置けます。

湯たんぽはお湯を入れた直後がいちばん熱く、そこから一晩かけて少しずつ冷めていきます。温度を自分で下げたり、途中で切ったりはできません。

そのため、湯たんぽも布団に入る前に使います。入る30分ほど前に足を置くあたりへ入れておき、布団に入るときに外へ出してください。

足元に置いたまま眠ると、足の同じ場所が湯たんぽにふれ続けて、低温やけどになることがあります。カバーやタオルで包んでいても起こります。

朝まで入れておくと、朝も暖かくて助かるんですけど

そのあいだ、足は湯たんぽにふれたままです。NITEも、布団を温めたあとは取り出すよう書いています。

やりがちな間違い

電気毛布を「強」のまま眠る

入る前に強で温めるのはかまいません。ただ、強にすると表面が50度前後になる型もあります。そのまま朝まで強にしておくと、体の同じ場所がその面にふれ続けます。布団に入ったら目盛りを下げ、眠るときに切ってください。

厚手の靴下をはいたまま眠る

布団に入るまで靴下をはいて足を冷やさないようにするのは、よいやり方です。ただ、眠るときもはいたままだと、足の裏から熱を逃がしにくくなります。厚生労働省のページが温めすぎの例に挙げているのも、厚手の靴下と電気毛布です。

掛け布団を重ねる

掛け布団を重ねると、上から逃げる熱は減ります。でも、敷き布団の側から逃げる熱は減りません。重さで寝返りがしにくくなる弱点もあるので、先に体の下へ1枚足してください。

電気代のまとめ

どれも1キロワットアワー31円で計算しました。電気毛布は50ワットの型の数字です。

使い方 1回 ひと月(30日)
布団乾燥機のあたためモード(690ワットで15分) 約5円 約160円
電気毛布を入る前だけ(50ワットで30分) 約0.8円 約23円
電気毛布を一晩つけっぱなし(50ワットで8時間) 約12円 約370円
湯たんぽ 電気は使わない 電気は使わない

入る前だけに絞ると、この表の条件では、どの道具もひと月200円を超えません。900ワットの型の布団乾燥機なら、1回約7円、ひと月約210円です。布団乾燥機の数字は最大のワット数のまま15分動いた前提なので、実際はこれより少なくなることがあります。電気毛布では、入ってから眠るまで低い目盛りでつけるぶんが足されます。

いつ買うか

電気毛布や布団乾燥機は、寒くなってから探す人が増えます。店に並ぶ数が多いのは10月ごろで、そこから先は売れたぶんだけ減っていく一方です。くわしくは暖房家電の品切れの記事に書きました。

電気毛布と布団乾燥機は寒くなると品切れしやすいので、先に決めておいてください。湯たんぽと起毛のシーツは、使ってみて足りなければ、あとから買い足してもかまいません。

よくある質問

Q. 電気毛布をつけたまま寝てしまいました。大丈夫ですか?

起きたら、体の下になっていた場所の肌を見てください。低温やけどは痛みが少なく、気づきにくいやけどです。赤くなっていたり水ぶくれがあったりしたら、医療機関に相談してください。次の夜からは、布団に入ったら目盛りを下げ、眠るときに切ります。切り忘れが心配なら、切る時間を選べるタイマーの付いた型を選んでください。

Q. 布団乾燥機と電気毛布、1つだけ買うならどちらですか?

布団に入る前に本体を出してホースを差す手間をかけられるなら、布団乾燥機です。寝ているあいだに熱を出しません。手間を減らしたいなら、敷いたままにできる電気毛布です。そのかわり、眠るときは自分で切らなければなりません。

Q. 湯たんぽは、どこに入れておきますか?

足を置くあたりに入れておきます。布団の裾には体の熱がいちばん遅く届くので、そこを先に温めておきます。布団に入るときには外へ出してください。

Q. 家族の布団も同じ使い方で大丈夫ですか?

同じです。お年寄りは熱さを感じにくく、低温やけどが重くなりやすいので、眠るときはかならず切ります。子どもは自分でスイッチを切れないことがあるので、大人が切ってください。

Q. 寝室を暖房で暖めておけば、布団は冷たくなりませんか?

寝室の温度が上がれば、布団の温度も上がります。ただ、寝室ぜんぶを暖めると、布団の中だけを温めるより電気代がかかります。部屋の暖め方は暖房費の記事にまとめました。

まとめ

今夜は、布団に入る30分前に、電気毛布のスイッチを入れるか、湯たんぽを入れておいてください。電気毛布は入ったら目盛りを下げ、眠るときに切ります。湯たんぽは、布団に入るときに外へ。

足元の寒さや窓の水滴、暖房費といった冬のほかの困りごとは、冬の困りごとと解決グッズにまとめています。

この記事で挙げたものを、もう一度並べます。

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