ふるさと納税の返礼品(寄付のお礼に届く品)で「鮭」を探すと、秋鮭・銀鮭・紅鮭・トラウトサーモンが同じ一覧に並びます。並んだ写真だけ見ると、どれを選んでも似たようなものに見えます。
違いは寄付額の差くらいだと思う人も多いはずですが、寄付額の欄を見ても脂の量は分かりません。
脂の量も、塩加減も、生で食べられるかどうかも、鮭の種類で決まります。4種類のうち、いちばん脂が少ないのは秋鮭です。秋鮭は、卵を産むために生まれた川へ戻ってきたところを網で獲ります。そのため、朝ごはんの塩焼きより、鍋や蒸し焼きに向いています。
この記事はこんな方に向けて書いています
- ふるさと納税で鮭を頼みたいが、種類が多くて決めきれない
- 4種類の鮭で、脂の量と食べ方がどう別なのか知りたい
- 届いた切り身が、思っていた使い道と合わなかった
秋鮭の脂が少ないのは、卵と白子に使われたあとで網に入るからです
秋鮭は、生まれた川へ秋に戻ってくるシロザケです。北海道での漁場は河口に近い沿岸で、漁の時期は9月と10月です。
海にいるあいだ、鮭は小魚やえびを食べて、身に脂をためこみます。
ところが卵を産む年齢になると、鮭は体の中で卵と白子を大きくしはじめます。そのとき材料に使われるのが、身にためた脂とたんぱく質です。
川へ入った鮭は餌をとりません。そのため鮭は、川へ入る前の海にいるうちに卵と白子を仕上げます。身にためた脂は、餌で補われないので減る一方です。
沿岸の網にかかる秋鮭は、身の脂を卵と白子へ移し終えたあとの鮭です。秋鮭の切り身には、銀鮭やトラウトサーモンに入っている白い脂の筋が見あたりません。
秋鮭を焼くと、身がほろほろとほぐれます。ぱさついて感じるのは、卵と白子に使われたぶんの脂が身から抜けているからです。
夏に獲れる時鮭には、脂が残っています
時鮭というのは、卵を産む年齢にまだ届いていないシロザケのことで、「ときしらず」とも読みます。時鮭は川へ戻らず、春から夏にかけて海で揚がる鮭です。
時鮭はまだ卵と白子を作りはじめていないので、海でためた脂がそのまま身に残っています。魚としては秋鮭と同じシロザケで、秋鮭との違いは、卵を産む年齢に届いているかどうかです。
ふるさと納税に並ぶ鮭は4種類あります
「鮭」で探して出てくる返礼品は、大きく4つに分かれます。
| 秋鮭 | 銀鮭 | 紅鮭 | トラウトサーモン | |
|---|---|---|---|---|
| 名称の欄 | しろさけ | ぎんざけ | べにざけ | にじます |
| 育ち方 | 天然 | 養殖 | 天然 | 養殖 |
| おもな産地 | 北海道 | 宮城 | ロシア・アラスカ | ノルウェー・チリ |
| 脂 | 少ない | 多い | 中くらい | 多い |
| 生で食べるか、焼くか | 焼いて食べる | 焼いて食べる(加熱用が中心) | 焼いて食べる(加熱用が中心) | 生で食べられる(生食用が並ぶ) |
| 向く料理 | 鍋・ちゃんちゃん焼き | 焼いて弁当へ | 焼いておにぎりへ | 刺身・カルパッチョ |
トラウトサーモンは、名前にサーモンと付いていますが、ニジマスの仲間です。4つのうち、鮭でないのはトラウトサーモンだけです。
ページには「鮭」としか書いていないことがあります
名称か原材料名の欄を見てください。しろさけ・ぎんざけ・べにざけ・にじますのどれかが書いてあります。
銀鮭は養殖、紅鮭は北の海の天然です
銀鮭は、海に浮かべたいけすで育てます。国内の主な産地は宮城県です。人が餌の量を決めるので、脂ののり方が年ごとにぶれず、切り身の厚みもそろいます。
銀鮭は脂が多いぶん、冷めても身がかたくなりにくい鮭です。お弁当に入れるなら、銀鮭が向いています。
紅鮭は、日本の川にはほとんど戻ってきません。ロシアやアラスカの海で揚がった紅鮭を、北海道の工場で塩をして切り身にします。紅鮭の身の赤は4つのうちでいちばん濃く、焼いても色が抜けません。塩気がはっきりしているので、ごはんにのせる食べ方に向きます。
刺身で届くのはトラウトサーモンです
トラウトサーモンは、海のいけすで育てたニジマスです。売り場では「サーモン」の名で、刺身用のサクや切り落としで並びます。
トラウトサーモンを生で食べられるのは、人が餌と育つ場所を決めたうえで、加工場で刺身用として処理しているからです。
天然の鮭の餌は、海にいるおきあみや小魚です。その餌から寄生虫が身に入ることがあるので、秋鮭と紅鮭は加熱して食べる前提で売られています。
同じ養殖でも、銀鮭は火を通して食べる切り身として並びます。銀鮭は、塩をした切り身に加工して出荷するのがふつうだからです。生で食べられるかどうかを決めるのは、育て方ではなく出荷のしかたです。
秋鮭には、凍らせたまま薄く切って食べるルイベという食べ方があります。凍らせることが、寄生虫への処理を兼ねるからです。ただし、秋鮭は刺身用のサクでは売られていません。ルイベにできるのは「生食用」と書かれた秋鮭だけです。家庭の冷凍庫で凍らせた秋鮭は、生で食べないでください。
秋鮭が向くのは、油か味噌を足す料理です
脂の少ない秋鮭の身は、焼いただけだと水分が飛んでぱさつきます。北海道でよく食べられている秋鮭の料理は、どれも油か味噌を足して作ります。
- ちゃんちゃん焼き … 味噌とバターで、野菜といっしょに鉄板で焼く
- 石狩鍋 … 味噌仕立ての鍋。骨のついたあらからも出汁が出る
- ムニエル … 小麦粉をまぶして、バターで焼く
- フライ … 衣で水分を閉じこめる
焼いてそのまま食卓に出したいなら、脂の多い銀鮭を選んでください。
脂が少ないのは、品として落ちるということですか
品として落ちるわけではありません。脂の少ない身は味噌やバターの味を吸うので、鍋とちゃんちゃん焼きなら秋鮭のほうが合います。
無塩・甘塩・辛塩で、届いてからの手間が分かれます
鮭の切り身の商品ページには、塩加減を表す言葉が3組出てきます。同じ組の言葉なら、どちらの書き方でも中身は同じです。
| 表示の言葉 | 届いてからやること | 向く食べ方 |
|---|---|---|
| 無塩(生・原料肉とも書かれます) | 自分で塩をふる。味付けを決められる | 鍋・ムニエル・フライ |
| 甘塩(甘口とも書かれます) | 解凍して、そのまま焼く | 朝ごはんのおかず |
| 辛塩(辛口とも書かれます) | 薄い塩水に浸けて塩を抜く | 焼いてごはん・お茶漬け |
ただし、塩の量は自治体と加工場によってばらつくので、言葉だけでは決まりません。数字で確かめたいときは、パッケージの「食塩相当量」の欄を見てください。
食塩相当量は100gあたりの数字です。1切れが80gなら、この数字に0.8をかけた量が1切れに入っています。たとえば100gあたり2.5gなら、1切れで2.0gです。
切り身か半身かで、届いた日の手間が分かれます
鮭の返礼品は、切り身のパックと半身に分かれます。
切り身は1切れ80g前後のものが多く、焼けばそのまま皿に出せる大きさです。1切れずつ真空パックになっていれば、食べるぶんだけ解凍できます。1つの袋にまとめて凍らせてあるものからは、1切れだけ取り出せません。
半身は1枚で1kg前後です。届いた日のうちに切り分けて、小分けにしてから凍らせ直してください。一度解けた身をそのまま凍らせ直すと、水分が抜けてぱさつきます。
枚数の書いてあるページを選ぶと、食卓に出せる回数を先に数えられます。小分けの熟成 秋鮭切り身(15〜36切)は、何切れ入りかがページに書いてある返礼品です。この返礼品は冷凍便なので、指定した日に受け取れないと再配達が必要になります。
枚数が書いていないときは、内容量をグラムに直して80で割ってください。1切れ80g前後のものが多いので、2kgならおよそ25切れです。
2kgの鮭は、牛乳パック2本ぶんの場所を取ります
冷凍の鮭は箱で届きます。冷凍庫に入るかどうかは、重さを体積に直すと分かります。
魚の身は水とほぼ同じ重さなので、2kgは2リットルほどのかさです。1リットルの牛乳パックを2本、横に寝かせて置ける広さがあれば収まります。
無塩の秋鮭切り身(発送時期が選べる)のように内容量をキロ数で書いてあるページなら、キロ数をそのまま牛乳パックの本数に置き換えられます。ただし、この返礼品には1つの袋にまとめて凍らせたぶんが混じるので、1切れだけ取り出したい日には向きません。
半身は長さ50センチ前後のものが多く、冷凍庫の引き出しの幅に収まりません。届いた日に切り分けて、切り身と同じように小分けにして入れてください。
卵を持ったメスは、オスより身が薄くなります
置き場所が決まったら、次に見るのは身の厚みです。同じ秋鮭でも、オスとメスでは身の厚みが違います。
卵を持ったメスは、身の脂とたんぱく質を卵へ回します。回したぶんだけ身から脂とたんぱく質が抜けるので、メスの身はオスより薄くなります。
ただし、オスかメスかを選べるページはほとんどありません。身の厚さで選びたいときは、1切れあたりのグラム数を見てください。
鮭の卵を使った返礼品が、いくらです。いくらの粒の大きさや小分けの見かたは、いくらの記事にまとめました。
どの欄を見れば、ここまでの話を確かめられるか
ここまでの話を、返礼品のページのどの欄で確かめられるかで並べ直します。
| 見る欄 | 分かること |
|---|---|
| 名称・原材料名 | しろさけ・ぎんざけ・べにざけ・にじますのどれか |
| 天然か養殖か | 脂が多いか、少ないか |
| 内容量と枚数 | 何回ぶん食卓に出せるか |
| 食塩相当量 | 塩を抜く手間が要るか、そのまま焼けるか |
| 個包装かどうか | 1切れだけ解凍できるか |
秋鮭の漁は9月と10月です
5つの欄を見て品を決めたら、最後に申し込む月を決めます。
北海道で産卵に戻る秋鮭の群れを獲るのは、9月と10月です。11月から並ぶ秋鮭は、その2か月に揚がって冷凍されたものです。春から夏に獲れる時鮭は別の漁で揚がるので、秋鮭としては並びません。
秋鮭には先行予約(獲れる前に申し込んでおく受付)がありません。冷凍の切り身は年じゅう並ぶので、出ているぶんをその場で申し込めます。

図の左が申し込む月、右が届く月です。ウニ5月・ウナギ6月・いくら8月・ズワイガニ10月・年末のカニ11月と、5品とも旬より前に申し込みます。
同じ鮭から採るいくらに8月の受付があるのは、いくらを漬けられるのが9月と10月の2か月だけだからです。年じゅう置ける切り身と違って、いくらは作れる時期そのものが2か月しかありません。
届くまでの日数は、商品ページの発送時期の欄に書いてあります。凍った切り身は、申し込んでから2週間から1か月で届くものが多くなっています。
よくある質問
Q. 秋鮭と銀鮭では、どちらの脂が多いですか?
銀鮭です。銀鮭はいけすで餌をやって育てるので、産卵に脂を使う前に出荷されます。天然の秋鮭は、脂が卵と白子へ回ったあとに網にかかります。
Q. 秋鮭の切り身は、刺身にできますか?
できません。生では食べないでください。天然の鮭には寄生虫が入っていることがあるので、加熱する前提で売られています。刺身にしたいときは、トラウトサーモンを選んでください。
Q. 「時鮭」は、秋鮭とは別の魚ですか?
同じシロザケです。卵を産む年齢にまだ届いていないものを時鮭、届いて川へ戻ってきたものを秋鮭と呼び分けています。時鮭が揚がるのは春から夏、秋鮭は9月と10月です。
Q. 辛口の切り身は、どうやって塩を抜きますか?
水1リットルに塩を小さじ1ほど溶かした薄い塩水へ浸けて、冷蔵庫で1〜2時間おきます。真水に浸けるより、身の味が抜けにくくなります。
Q. 凍った切り身は、どうやって解凍しますか?
冷蔵庫へ移して、半日かけて戻します。常温に置いたり電子レンジを使ったりするのは避けてください。焼く前に表面の水気を紙で押さえると、生臭さが残りません。
まとめ
- 秋鮭は、卵を産むために生まれた川へ戻ってきたところを沿岸で獲るシロザケ。脂が卵と白子へ回ったあとなので、身の脂が少ない
- 脂の多い順は、銀鮭とトラウトサーモン、紅鮭、秋鮭。鍋とちゃんちゃん焼きなら脂の少ない秋鮭で、焼いて弁当に入れるなら銀鮭
- 刺身で並ぶのはトラウトサーモンだけ。凍らせて切るルイベにできるのは「生食用」と書かれたものに限る
- 獲れるのは9月と10月。先行予約が無いので、その2か月に出ているぶんをその場で申し込む
まずは、名称の欄が「しろさけ」かどうかを見てください。
9月のほかの魚介は、9月の魚介カレンダーに戻り鰹やサンマと並べてあります。
12か月ぶんは魚介・海鮮の旬カレンダーにまとめました。
この記事で挙げたものを、もう一度並べます。
商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。
この話に出てきた返礼品を、まとめて見る
- 9月の魚介・海鮮
カニもいくらも、食べたい月になってから探すと売り切れていることがあります。申し込みの受付は、食べたい月の数か月前に始まります。申し込みの目安は、ウニが5月ごろ、いくらが8月ごろ、ズワイガニが10月ごろです。 - ふるさと納税 魚介・海鮮の旬カレンダー
カニもいくらも、食べたい月になってから探すと売り切れていることがあります。申し込みの受付は、食べたい月の数か月前に始まります。申し込みの目安は、ウニが5月ごろ、いくらが8月ごろ、ズワイガニが10月ごろです。
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