ふるさと納税のいくら、夏に頼むと去年のものが届きます。秋の海鮮で外さない3つの見かた
2026/8/20
ふるさと納税を、はじめて調べる方へ
住んでいる市区町村ではなく、ほかの市や町(自治体)にお金を送る仕組みです。送ったお金のうち2,000円を超えた分が、翌年に納める住民税と所得税から差し引かれます。そのお礼として届く品を返礼品と呼びます。
ただし、送れる額には上限があります。自己負担が2,000円で収まる上限を限度額といい、年収が高いほど大きく、扶養する家族が多いほど小さくなります。楽天ふるさと納税やさとふるといった申し込みサイトに計算ページがあるので、自分の目安を先に出しておいてください。
返礼品の値打ちは、地方自治の制度を所管する総務省の基準で寄付額の3割までと決まっています。3万円を送ったら、届く品はおよそ9,000円ぶんです。
秋になったら、ふるさと納税でいくらを頼もう。そう思って8月の返礼品ページを見ると、もう「いくら」がずらりと並んでいて、いま頼んでいいのか分からないこと、ありませんか?
わたしは去年、8月に並んでいたいくらをそのまま注文しました。届いた箱の表示は「令和6年10月製造」。1年前のものでした(笑)
秋の海鮮は秋に頼めばいい、と思っていました。でも、いくらが作られるのは1年のうち9月と10月の2か月だけです。
8月に並んでいるいくらは、去年の秋に作られたものです。冷凍で保存されているので味は落ちていませんが、その年に作られたものにつく「新物」の表示はありません。
この記事では、秋の海鮮で外しやすい3つを順番に見ていきます。時期・種類・量の3つです!
この記事はこんな方に向けて書いています
- 秋の海鮮をふるさと納税で頼みたい
- いくらの「新物」「先行予約」の意味が分からない
- 去年、届いた量と冷凍庫が合わなかった
1つめ:時期。いくらが作られるのは2か月だけ
いくらは、鮭のお腹から取り出した卵を醤油などに漬けたものです。だから、卵を持った鮭が獲れる時期にしか作れません。
秋に北海道の川へ戻ってくる鮭を「秋鮭」と呼びます。獲れるのは9月と10月。北海道の漁業協同組合連合会(ぎょれん)も、この2か月を旬としています。ぎょれんというのは、漁師が集まってつくる漁業協同組合が、さらに集まった団体のこと。水揚げの取りまとめや出荷を担うので、いつ何がどれだけ獲れるかを実際の数字で把握しています。いくらを漬ける工場の製造も、例年10月で終わります。
では夏に獲れる鮭ではだめなのか。だめでした。
夏に揚がるのは「時鮭(ときしらず)」と呼ばれる、産卵の年齢に届いていない鮭です。卵がまだ育っていないので、粒が小さすぎていくらの形になりません。原料そのものが無いわけです。
だから8月に売られているいくらは、去年の秋に作って冷凍しておいたものになります。
去年のものだと、味は落ちていますか
冷凍のままなら、粒の張りも味も大きくは落ちません。ただ「新物」と書けるのは今年ぶんだけなので、そこは表示で見分けられます。
だから、いま頼むなら「先行予約」を選びます
新物を食べたいなら、8月から9月にかけての先行予約です。
先行予約というのは、まだ作られていないものを先に申し込んでおく形のこと。9月か10月に作られたぶんが、できあがってから届きます。
なぜ先に申し込むのかというと、その年に作れる量が、獲れた鮭の数で頭打ちになるからです。工場をいくら動かしても、原料の卵が無ければ増やせません。だから自治体は受付の上限を決めていて、人気のところは製造が始まる前に上限へ達し、そこで止めます。
**11月に探すと、今年ぶんはもう締まっています!**という順番になります。
同じ「時期」の話が、ホタテでは逆に働きます
いくらは、作れる時期が秋の2か月に決まっていました。ホタテには、その決まりがありません。そのかわり、産地によって旬が真逆になります。

ホタテの育て方は2つあります。海に稚貝をまいて自然に育てる方法(地まきと呼びます)と、かごに入れて海に吊るす養殖です。ぎょれんによると、地まきのホタテで夏に旬を迎えるのはオホーツクの5〜7月と、宗谷の7〜9月。
いっぽう野付・根室・噴火湾は、12月から3月が旬です。
レビューの件数と旬は、そろいません。 ふるさと納税でレビュー件数が突出しているのは、野付湾に面した別海町のように、冬が旬の産地のもの。件数が多いから旬だろうと考えると、逆を引きます。
実際、そうした返礼品の口コミには「夏場に注文することはあまりおすすめしません」という声が並んでいます。楽天のレビューは5点満点で、星の数ごとに絞って読めるのですが、この声が出てくるのは★1ではなく★4のほう。品そのものが悪いと言っている人はほとんどいなくて、時期の話をしていると分かります。
レビューの件数は、その返礼品が始まってから今日までに書かれたぶんの合計です。過去に何年ぶん売れたかを表す数字なので、いま旬かどうかは映しません。旬は産地と月で確かめてください!
たとえば別海町のホタテ・訳あり(味は同じで見た目に難がある品を訳ありと呼びます。★4.85・30,940件・寄付8,500円)は、レビューが3万件を超える定番です。ただしこのページは最短当日発送で、届く時期を選べません。 旬に当てたいなら、申し込むのを11月以降にずらすか、配送時期を選べるページを探してください。
発送が集中するのは10月から11月です
秋の海鮮は、届く時期も重なります。
8月から9月に申し込みが集中するので、できあがる10月から11月に発送も集中します。そこへ、年末に駆け込みで申し込まれたぶんの発送が重なると、配送が遅れることがあります。
ページに「配送時期を選べます」と書いてあるものは、この混雑を避けられます。逆に「順次発送」と書いてあるのは、できあがった順に送るという意味で、着日を決められません。
留守にしがちな方は、選べるほうを取ってください。 冷凍便は再配達を待つあいだに一度でも溶けると、粒がつぶれて水っぽくなります。
2つめ:種類。鮭のいくらと鱒のいくらは別のものです
ページには「いくら」としか書かれていないことがあります。でも中身は2種類あります。
| 秋鮭のいくら | 鱒(ます)のいくら | |
|---|---|---|
| 卵のもと | 秋に川へ戻る鮭 | 養殖のニジマス |
| 粒の大きさ | 大きめ | やや小さめ |
| 皮の感じ | しっかりして、噛むと弾ける | やわらかい |
| 値段 | 高め | 手が届きやすい |
| 作れる時期 | 9〜10月 | 通年 |
鱒は、鮭に近い仲間の魚です。返礼品に使われるのは、いけすで育てたニジマス。海のいけすで大きく育てたものが、売り場に「トラウトサーモン」の名前で並びます。その卵が鱒のいくらです。
通年で作れるのは、いけすで育てているからです。天然の秋鮭は川へ戻る時期にしか卵を持ちませんが、養殖なら産卵の時期をずらした群れを分けて育てられます。
どちらが上、という話ではありません。粒が口の中ではじける感じが好きなら秋鮭、やわらかいほうが好きなら鱒です!、という好みの分かれ方です。
見分けるのは、商品名か原材料名です。「鱒卵(ますこ)」「トラウト」と書いてあれば鱒のほう。「鮭卵」「秋鮭」ならもう一方です。何も書いていなければ秋鮭のことが多いのですが、原材料名の欄まで見ると確実です。
値段だけ見て選ぶと、違うものが来るんですね
鱒が安いのは、いけすで育てるので何匹をいつ出荷するか決められるからです。天然の鮭は獲れる数が年で変わるので、その振れ幅が値段に乗ります。
3つめ:量。1gあたりに直すと比べられます
いくらの返礼品は、200gから1kgあたりまで幅があります。寄付額もばらけるので、そのままでは比べられません。
1gあたりに直します。
| 例 | 寄付額 | 内容量 | 1gあたり |
|---|---|---|---|
| A | 12,000円 | 200g | 60円 |
| B | 24,000円 | 500g | 48円 |
| C | 28,000円 | 1kg | 28円 |
(2026年8月時点で見かける寄付額の例です。自治体ごとに違います)
まとめて頼むほうが1gあたりは下がります。ただし、ここで量の判断が要ります。
いくらは、解凍したら2〜3日で食べきるのが目安です。一度溶けたものを冷凍し直すと、粒がつぶれて水っぽくなります。
ごはんにのせて1回に食べる量を30gとすると、1kgは33回ぶん。2人で1日1回ずつ食べても17日かかります。2〜3日では終わりません。
小分けのパックに分かれているかを確かめてください。200gずつ5パックという形なら、開けるのは1パックだけ。200gは6〜7回ぶんで、2人なら3日ちょっと。2〜3日の目安ぎりぎりなので、100gずつに分かれたものがあればそちらが確実です。
1gあたりの安さは、小分けになっていて初めて意味が出ます
冷凍庫の空きも、量の話です
いくらを取ったあとの秋鮭は、切り身の返礼品になります。こちらも9月から10月に作られ、10月以降に届きます。
寄付1万円あたり1.5kgから2kgほど。1切れ80gとすると19切れから25切れです。
届くのは冷凍便で、この19〜25切れが1度に来ます。 寄付額を上げれば量も増え、そのぶん一度に届く箱が大きくなります。先に冷凍庫を空けておかないと入りません。申し込む前に、棚1段ぶんの空きがあるかだけ見ておいてください。
小分けの真空パックになっているものだと、隙間に差し込めるので置きやすくなります。
よくある質問
Q. 「新物」と書いてあれば今年のものですか?
はい。今年の秋に作られたぶんを指します。ただし8月の時点では、まだ作られていないので「新物・先行予約」という表示になります。
Q. 冷凍のいくらは、どうやって解凍しますか?
冷蔵庫に移して、半日ほどかけてゆっくり戻すのが基本です。急ぐときも、常温や電子レンジは避けてください。急に温度が上がると、粒の皮が破れます。
Q. 賞味期限はどれくらいですか?
冷凍のままで、作った日から半年から1年ほどのものが多くなります。去年の10月に作られた品なら、期限が半年のものは今年の4月に切れているので、8月の売り場には並びません。いま並んでいるのは、1年ほどの期限がついた品ということになります。商品ページの表示が正なので、そこを見てください。解凍後は2〜3日と考えてください。
Q. いくらとホタテ、どちらから頼むといいですか?
食べたい時期で決まります。いくらが作られるのは9月から10月なので、届くのは10月以降。ホタテは産地しだいで、夏に旬のものと冬に旬のものに分かれます。同じ月に両方の旬が重なる組み合わせは少ないので、1件ずつ月をずらすと、冷凍庫も混みません。
Q. 訳あり品はどう違いますか?
「訳あり」というのは、味は同じだけれど見た目や形に難がある、という意味の売り方です。いくらの場合は粒の大きさが不ぞろい、というものが中心。同じ量でも、寄付額が1〜2割ほど下がります。1万円の品なら8,000円から9,000円あたり。味そのものは同じです。ただし「訳の理由」が書いていないページは、粒の不ぞろいなのか、量が少ないのか、傷があるのかを確かめようがないので避けてください。
Q. 8月に「新物」の先行予約が見つかりません
いくらの先行予約は、自治体によって受付の開始日がばらけます。8月に出そろっていないこともあるので、その場合は9月の頭にもう一度見てください。10月に入ると、人気の自治体から順に締まっていきます。
まとめ
- 時期:いくらが作られるのは9月と10月だけ。8月に並ぶのは去年ぶん
- 新物を食べたいなら、8月から9月の先行予約。11月には今年ぶんが締まる
- ホタテは産地で旬が逆(夏=オホーツク・宗谷/冬=野付・根室・噴火湾)。レビュー件数は過去の売れ方で、旬の目印ではない
- 種類:秋鮭のいくらと鱒のいくらは別もの。原材料名で見分ける
- 量:1gあたりに直して比べる。ただし小分けになっているかを先に確かめる
- 解凍後は2〜3日で食べきる。1kgを一度に解凍すると間に合わない
今年は、10月から11月に届くぶんを、8月のうちに押さえておきませんか!
ほかの海の返礼品(蟹、牡蠣、うに、ぶり)はふるさと納税 魚介カレンダーにまとめています。広告を含むページです。
この話に出てきた道具を、まとめて見る
- ふるさと納税 魚介カレンダー
海のものは旬が短く、しかも解禁日で決まります。届く月から逆算して、申し込む月を書きました。
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