ふるさと納税で栗を申し込むとき、返礼品(寄付のお礼に届く品)のページでは、重さと産地に目が行きがちです。1キロか2キロか、茨城か熊本か、という比べ方です。
ところが、届いた栗はそのまま米に入れられません。外側には固い皮(鬼皮)があり、その内側には茶色い薄皮(渋皮)が実に貼りついています。
届いたあとの手間を決めるのは、重さでも産地でもなく、この2枚の皮を誰がむき、どこまで調理してあるかです。自分でむくか、産地でむいてあるか、煮るところまで済んでいるかの3つです。
生の栗は、2枚とも自分でむきます。むき栗は、産地で2枚ともむいた状態で届く品です。ペーストと甘露煮は、むいたうえに煮てあります。
この記事はこんな方に向けて書いています
- ふるさと納税で栗を申し込みたいが、生の栗をむき切れるか不安
- 「生栗」と「むき栗」が同じ検索結果に並ぶ理由を知りたい
- 届いた栗を、いつむいて、いつまでに食べればよいか知りたい
「栗」で検索すると、3つの形がまとめて出てきます
ポータル(ふるさと納税の申し込みサイト)で「栗」と入れると、品名に「栗」の字がある品がすべて出ます。生の栗も、むき栗も、ペーストも、同じ一覧に並びます。
商品ページに書いてあるのは、重さ、粒の大きさ、品種、届く月です。届いてから台所で何をするかは、どこにも書いてありません。
そこで、届く形ごとに並べ直しました。
| 届く形 | 2枚の皮をむくのは | 台所ですること | 向くのはこんなとき |
|---|---|---|---|
| 生の栗 | 自分 | 浸ける → 1粒ずつむく → 火を通す | 週末にまとまった時間が取れる |
| むき栗(冷凍・真空パック) | 産地 | 料理に入れる | 平日の食卓に出したい |
| ペースト・甘露煮 | 産地 | 混ぜる、のせる | 菓子を作りたい |
どれを選ぶかは、届いた週に台所に立てる時間と、作りたい料理で決めてください。
渋皮は、はがせないので包丁で削ります
生の栗を選んだ場合、2枚の皮を取るのは自分の手です。
外側の鬼皮は、乾くほど固くなります。乾いた鬼皮に包丁を当てると、刃が表面ですべります。
内側の渋皮は、実の表面の溝に入り込んでいて、指でつまんでもはがれません。そのため包丁で削り取ります。
1粒ごとに要るのは、鬼皮をむく作業と渋皮を削る作業の2つです。
むく手間は、重さではなく粒の数で決まります
1粒ごとに同じ作業をくり返すので、手間は重さではなく粒の数で決まります。粒が大きいほど、1キロの袋に入る粒は少なくなります。
| 粒の大きさ(目安) | 1粒の重さの目安 | 1キロに入る粒の数 |
|---|---|---|
| 2L | 23グラムほど | 40〜45粒 |
| 3L | 30グラムほど | 30〜35粒 |
栗1粒の重さは、多くの品種で20〜25グラム、大きい品種で30グラム前後です(果物ナビ)。
同じ1キロなら、3Lにすると、むく粒が10粒ほど減ります。
ただし、何グラムからを3Lと呼ぶかは、産地や店によって少しずつ違います。粒の数が書いてあるページなら、その数で手間を見積もれます。
粒の数が書いていなければ、サイズの欄を見てください。チルド熟成の丹波くり(生の栗・500g/1kg)のように3L・4Lを選べるページなら、大きいほうを選びます。4Lなら、1キロあたり30粒より少なくなる計算です。
むく前に、鬼皮をお湯か水に浸けておきます
乾いたままの鬼皮には刃がすべるので、生の栗はむく前に鬼皮をやわらかくしておきます。
40〜45度のお湯なら15〜20分、水なら数時間浸けておきます(白ごはん.com)。40〜45度は、お風呂より少し熱いくらいの温度です。
浸けておく時間は、むく時間とは別にかかります。 15分でも数時間でも、包丁を入れるのは浸け終わってからです。
帰ってすぐお湯に浸ければ、届いた日の夕飯の栗ご飯に間に合いませんか
間に合います。1キロを全部むかなくても、炊くぶんだけむけば足ります。ただ、チルド室に数日置くと甘みが増すので、急がないなら数日おいてからむきます
渋皮煮を作れるのは、生の栗だけです
ここまでが、生の栗を選んだときに増える手間です。この手間をかければ、渋皮煮が作れます。
渋皮煮は、鬼皮だけをむいて渋皮を残し、重曹でゆでこぼしてから砂糖で煮た料理です。渋皮には、渋みのもとになるタンニンが多く入っています。重曹で何度もゆでこぼすのは、この渋みを抜くためです。
むき栗は渋皮まで取ってあるので、渋皮煮には使えません。
渋皮煮を作りたいなら、選ぶのは生の栗です。栗ご飯や栗きんとんが目当てなら、むき栗やペーストでも作れます。
むき栗なら、むく作業はいりません
むく作業を産地に任せたいなら、むき栗を選びます。むき栗は、2枚の皮を産地でむいたものです。
むいた実は日持ちしないので、冷凍か真空パックで届きます。冷凍の品は、生のままむいて凍らせたものと、ゆでてから凍らせたものの2種類です。常温で届く真空パックは、火を通してあります。
冷凍のむき栗は、凍ったまま米といっしょに炊けます。平日の夕飯に栗ご飯を出したいなら、むき栗が向いています。
「むき栗」で検索すると、甘露煮も並びます。 砂糖が入っているかは、原材料の欄で見分けてください。
冷凍のむき栗(200gから容量を選べる・笠間)のように、容量を200グラムから選べる冷凍の品もあります。少なめに頼んで、栗ご飯1回ぶんから試せます。
ペーストと甘露煮は、火を通すところまで済んでいます
ペーストと甘露煮は、産地で皮をむいたあと、煮るところまで済ませてあります。甘露煮は、むいた栗をシロップで煮たものです。ペーストは、ゆでた栗を裏ごししたもので、砂糖を合わせた品が多くあります。
どちらも、栗きんとん、モンブラン、パウンドケーキのような菓子にそのまま使えます。
砂糖が入っている品を使うときは、レシピの砂糖を最初から全部は入れないでください。 生地に混ぜて味を見てから、足りないぶんだけ足します。
原材料の欄は、多く入っているものから順に並びます。砂糖が栗より先に書いてあれば、砂糖のほうが多い品です。菓子の材料にする栗ペースト1kg(笠間)のようなペーストを選ぶときも、原材料の欄で砂糖の位置を見てください。
ペーストと甘露煮は、甘さを自分で決めたい料理には向きません。たとえば甘露煮を栗ご飯に入れると、ご飯まで甘くなります。
渋皮が鬼皮といっしょにむける品種があります
生の栗のままでも、「ぽろたん」という品種を選べば、渋皮を削る作業を省けます。
ぽろたんは、農研機構が育てた日本の栗です。鬼皮に切れ目を入れて火を通すと、渋皮まで手でむけます(農研機構)。
1粒の平均は約30グラムです(農研機構)。3Lに近い大きさなので、1キロ30〜35粒と見ておけます。茨城県では、9月上旬〜中旬に出荷されます。
ただし、ぽろたんで渋皮煮は作れません。 残したい渋皮が、鬼皮といっしょに取れてしまうからです。ぽろたんは、焼き栗やゆで栗、栗ご飯に向いています。
ぽろたんの返礼品は、数が多くありません。見かけたら、その日のうちに申し込むかを決めてください。
生の栗が届いたら、ポリ袋に入れてチルド室へ
ここからは、生の栗が届いたあとの話です。
届いた袋のまま常温で置くと、実から水分が抜けて鬼皮が固くなります。届いたら、その日のうちに冷蔵庫へ入れてください。
置き場所は冷蔵庫のチルド室です。農林水産省の案内では、ポリ袋に入れて口はしばらず折るだけにし、0度付近のチルド室へ入れます。家で置いておけるのは約1週間です(農林水産省)。
栗を0度近くに置くと、実の中のでんぷんが糖に変わり、甘くなります。兵庫県の北部農業技術センターによると、0度で30〜40日置くと、糖(ショ糖)が約3倍に増えます。
ただ、30〜40日は試験での日数です。家で置けるのは約1週間なので、甘みの増え方は試験より小さくなります。
甘さを優先したいなら、品名に「低温熟成」「チルド熟成」とある品を選びましょう。産地で冷やして寝かせてから送る品です。
届いてからの手順は、次のとおりです。
- 届いた日 … 水気をふき、ポリ袋に入れて口を折り、チルド室へ入れます。
- 届いてから数日おき、1週間以内に … 使うぶんだけ浸けてむき、火を通します。
- 1週間で食べきれないとき … 残りもむいて、冷凍庫へ移します。
むき栗・ペースト・甘露煮は、袋の表示どおりに保存してください。冷凍の品は冷凍庫に入れ、常温の真空パックは表示の期限までに使います。
やりがちな間違い
生の栗で外しやすいのは、次の3つです。
1つめは、届いた日に1キロを全部むこうとすることです。浸ける時間が別にかかるうえ、チルド室で甘みが増す前にむくことになります。
2つめは、乾いたまま包丁を入れることです。固い鬼皮で刃がすべって、指のほうへ向かいます。
3つめは、「むき栗」と書いてあれば砂糖が入っていないと思い込むことです。甘露煮も同じ検索結果に並びます。
出回る時期は、9月から10月です
生の栗は、収穫の時期に合わせて届きます。茨城県は、栗の栽培面積と出荷量がともに全国1位です。県のサイトには、品種ごとの出荷時期と向く食べ方が並んでいます。
| 品種 | 出荷時期 | 県のサイトにある特徴 |
|---|---|---|
| 丹沢 | 9月上旬〜中旬 | 甘露煮やペーストに向く |
| ぽろたん | 9月上旬〜中旬 | 渋皮までむける |
| 利平 | 9月中旬〜下旬 | 甘みが強く、ゆで栗・蒸し栗向き |
| 筑波 | 9月下旬〜10月上旬 | 甘みが強く、渋皮煮向き |
| 銀寄 | 9月下旬〜10月上旬 | 大粒で風味豊か。渋皮煮にも |
| 石鎚 | 10月上旬〜中旬 | 煮くずれが少なく、甘露煮や渋皮煮向き |
| 岸根 | 10月中旬〜下旬 | 大粒で風味がよい |
(茨城県「茨城をたべよう」)
生の栗を申し込むなら、品種の欄も見ておきましょう。渋皮煮を作るなら筑波・銀寄・石鎚です。焼き栗やゆで栗なら、ぽろたんや利平が合います。
よくある質問
Q. 冷凍のむき栗は、解凍してから使いますか?
栗ご飯なら、凍ったまま米といっしょに炊けます。
Q. 生の栗は、届いてから何日のうちにむきますか?
届いてから数日おき、1週間以内にむきます。家で置いておけるのが約1週間なので、それまでに使うぶんをむき、残りはむいて冷凍します。
Q. チルド室に長く置くほど甘くなりますか?
0度で30〜40日置くと、糖が約3倍になるという試験があります。ただ、家で置いておけるのは約1週間です。甘さを優先するなら、品名に「低温熟成」「チルド熟成」とある品を選んでください。
Q. 皮の中に虫が入っていることはありますか?
生の栗ではあります。水に浸けたときに浮いてくる実は、中を虫に食べられていることがあります。
Q. 3Lと2Lでは、どちらを選びますか?
むく粒を減らしたいなら3Lです。1キロあたりの粒が10粒ほど少なくなります。むき栗やペーストを選ぶなら、粒の大きさは見なくてかまいません。
まとめ
- 栗の返礼品は、生の栗・むき栗・ペーストや甘露煮の3つに分かれる
- 分かれ目は、鬼皮と渋皮の2枚を自分でむくか、産地でむいてあるか、煮るところまで済んでいるか
- 生の栗は、1粒ごとに鬼皮をむいて渋皮を削る。1キロは2Lで40〜45粒、3Lで30〜35粒
- 生の栗は、40〜45度のお湯に15〜20分か、水に数時間浸けてからむく
- 渋皮煮は、生の栗でしか作れない
- 冷凍のむき栗は、凍ったまま米といっしょに炊ける
- 生の栗はポリ袋に入れ、口を折ってチルド室へ。届いてから数日おき、1週間以内に使い、残りはむいて冷凍
商品ページを開いたら、次の3つの欄を見てください。
- 品名の欄 … 生の栗か、むき栗か、ペーストや甘露煮か。
- 粒の大きさか粒の数の欄 … 1キロに、3Lなら30〜35粒、2Lなら40〜45粒。
- 届く月の欄 … 生の栗は9月から10月に届きます。
10月に届くほかの果物と並べて見るなら、10月の旬のフルーツ・果物へ。
この記事で挙げたものを、もう一度並べます。
商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。
この話に出てきた返礼品を、まとめて見る
- 10月のフルーツ・果物
さくらんぼは3月までに申し込みます。届く6月に探しても、人気の産地は受付を終えていることがあります。
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