エアコンは動いていて、設定温度も下げた。それなのに2階に上がると空気が蒸し暑い。そんなことはありませんか?
エアコンの力不足を疑う人も多いはずです。実際には、冷たい空気を2階へ運ぶものが、1階と2階のあいだに無いだけです。
エアコンを増設すると、工事費込みで10万円を超えます。空気を運ぶサーキュレーターなら数千円です。サーキュレーターというのは、まっすぐな風を遠くまで飛ばす小型の送風機のことです。
サーキュレーターが1台あれば、冬には暖房の節約もできます。
この記事はこんな方に向けて書いています
- 1階は涼しいのに、2階だけ暑い
- 2階にエアコンを増やすか迷っている
- サーキュレーターを買ったけど、あまり変わらなかった
なぜ2階だけ暑くなるのか
2階だけ暑くなる原因は、空気の重さと屋根の2つです。
冷たい空気は暖かい空気より重いので、1階でエアコンをつけると、冷気は床の高さに広がってそこにとどまります。
階段があっても、冷気は自分から2階へ上がっていきません。
もうひとつの原因は屋根です。2階の天井の上には、日中ずっと日を浴びた屋根裏があります。夕方に気温が下がっても、屋根裏にたまった熱はすぐには抜けません。夜のほうが2階が暑い気がするのは、この熱のためです。
2階には冷気が届かず、そのうえ上から熱を受けています。これでは、設定温度をいくら下げても2階は涼しくなりません。
じゃあ、2階にもエアコンを付けるしかないんでしょうか
その前に、1階の冷気を2階へ運んでみてください。2階に届いていない冷気は、1階のエアコンがもう作っています。
解決するのはサーキュレーター1台
やることは、サーキュレーターを階段の下に置いて、上へ向けて回すことです。
サーキュレーターの風で、1階の床にたまった冷気を階段に沿って押し上げます。変わったかどうかは、その日の夜には体で分かるはずです。
エアコンの増設は工事費込みで10万円を超えますが、サーキュレーターは3,000円台から買えます。試す順番としては、サーキュレーターが先だと思います。
やりがちな置き方の失敗
置き方を間違えると、風は出ているのに2階の温度が下がりません。よくある失敗は次の3つです。
上から下へ送ってしまう
2階から1階に向けて回すと、暖かい空気を下ろすことになります。これでは1階も2階も中途半端な温度のままです。
夏に動かしたいのは冷気なので、下から上へ向けてください。
壁に向けて置く
サーキュレーターの風はまっすぐ飛ぶので、壁にぶつかるとそこで散ります。
階段の踊り場や手すりの位置を見て、風がまっすぐ通る場所を選んでください。
部屋の真ん中に置く
部屋の中央に置くと、その部屋の空気をかき混ぜて終わります。空気を2階へ運びたいなら、置き場所は階段の下です。
風量は最大にしたほうがいいですか?
向きが合っていれば、弱でも空気は動きます。音が気になるなら、風量を落として様子を見てください。
扇風機を買っても2階までは届きません
扇風機とサーキュレーターは見た目が似ていますが、風の作り方がまったく違います。ここを間違えて、扇風機を買ってしまう人も多くいます。
| 扇風機 | サーキュレーター | |
|---|---|---|
| 風のかたち | 広くやわらかい | まっすぐ、遠くまで届く |
| おもな用途 | 人に当てて涼む | 空気を動かす |
| 上下の首振り | ないものが多い | 90度まで動くものも |
階段に使うならサーキュレーターです。扇風機の風は広がるぶん、遠くまで届きません。
商品名に「扇風機」と「サーキュレーター」の両方が入っていることも多いので、上下の角度を変えられるかで見分けるのが確実です。
選ぶときに見る4つのポイント
商品数が多いので、見るところを絞ります。
① 上下90度まで動くか
いちばん先に見るのはここです。真上を向けない機種は、ほかの点がどれだけ良くても階段には使えません。
② DCモーターかどうか
DCかACかは、モーターの種類の違いです。DCモーターは消費電力が低く、風量の段階も細かく分かれています。長時間まわすなら、この差が出ます。
ただし、DCモーターの機種は値段が高めです。ACモーターの機種は安いぶん、風量が3段階くらいで音も大きめです。日中だけ使うなら、ACモーターで足りることもあります。
③ 弱運転のときの音
階段の下は、寝室に近いお宅が多い場所です。夜もつけっぱなしにするなら、弱運転のときの音を確かめてください。
④ 前面のカバーが外れるか
ホコリがつくと風量が落ちます。前面のカバーが外れない機種は、掃除ができません。
外して洗える機種なら、2年、3年たっても買ったときの風量のままです。外れない機種は、ホコリが積もったぶん風が弱くなります。
置き場所は階段の下と決まっているので、大きさは小型で足ります。リビング用の大型を買う必要はありません。
「◯畳まで」の表示はあてになりません
商品ページの「◯畳まで」は、部屋の空気を循環させるときの目安です。階段のような細長い場所には、そのまま当てはまりません。
風の到達距離が書かれている商品なら、畳数よりそちらを見てください。2階建てなら、5メートル以上がひとつの目安だと思います。
この4つで、候補はかなり絞れます
4つの点で絞ったあと、最後は静かさと値段のどちらを取るかで分かれます。
静かさを取るなら、DCモーターで風量8段階以上の機種です。弱運転を細かく刻めるので、音を抑えたまま夜通し回せます。値段は6,000〜1万円ほど。階段の下が寝室に近いお宅は、こちらを選んでおくと後悔が少ないはずです。
安さを取るなら、ACモーターの機種です。3,000円台から買えます。風量は3段階で音は大きめですが、階段に置いて上へ向けるだけなら、冷気を2階へ運べます。日中だけ使うなら、これで十分なことも多いです。
逆に避けたいのは、卓上の小型で上下が動かないタイプです。値段は安くても、真上を向けないので階段には使えません。
買うなら8月中に
サーキュレーターは、9月に入ると売り場の棚から減っていきます。夏物が引き上げられて、暖房器具に入れ替わるためです。
冬に足元が寒くなってから探しはじめると、選べる数はもう少なくなっています。夏に買って、冬にもそのまま使うのがいちばん無駄がありません。
売り場の入れ替えが始まるのは、例年9月から10月にかけて。いま迷っているなら、8月中に決めておくほうが選べる機種が残っています。
冬は天井に向けて使います
暖かい空気は軽いので、天井付近にたまります。暖房をつけているのに足元が寒いのは、暖かい空気が上で止まっているからです。
冬はサーキュレーターを上に向けて回し、天井付近にたまった空気を下ろします。
夏は下から上へ、冬は天井へ向けるので、1台の置き場所と向きを年に2回変えることになります。エアコンの設定温度を1〜2度ゆるめられるので、そのぶん電気代が下がります。
よくある質問
Q. エアコンの風量を上げるだけではだめですか?
エアコンの風は、その部屋の中しか回りません。1階の風量を上げても、風は階段を越えて2階まで届きません。冷気を運ぶものは、別に用意するのが確実です。
Q. 電気代はどれくらいかかりますか?
機種によって違います。DCモーターの機種には、弱運転で1時間1円を下回るものもあります。正確な電気代は、商品ページの消費電力(W)から計算してください。エアコンをもう1台つけると1時間15〜20円かかるので、10倍以上の開きがあります。
Q. 階段が途中で折れている家でも使えますか?
折れている階段では、踊り場で風が止まりやすくなります。その場合は、サーキュレーターを踊り場に置いて上へ向けるか、2か所に置いてください。大きい1台に買い替えるより、小さいものを2台に分けたほうが冷気が届くこともあります。
Q. それでも2階が暑いときは?
屋根裏の熱が原因かもしれません。その場合は、すだれや外付けの日よけで窓の外側から日差しを遮ると、屋根裏と部屋に入る熱そのものが減ります。カーテンは熱が入ってきたあとで遮るものなので、外側で遮るのとは止められる熱の量が違います。
まとめ
- 2階だけ暑いのは、冷気が上がらないことと屋根裏の熱が原因
- サーキュレーターを階段の下から上へ向ければ届く
- 見るのは上下90度・DCモーター・静かさ・カバーが外れるか
- 9月には棚から減るので、買うなら8月中
- 冬は天井に向けて使えるので、1台で2シーズン使える
エアコンを増やす前に、まずこの1台を試してみてください。
寝苦しさや部屋にこもる熱、エアコンのにおいといった夏のほかの困りごとは、夏の困りごとと解決グッズにまとめています。冬の結露や足元の寒さは冬のページへ。
この話で使える便利グッズを、まとめて見る
- 夏の困りごと:2階だけ暑い
エアコンは動いている。設定温度も下げた。それなのに、部屋のどこかだけ暑かったり、夜中に目が覚めたりする。原因ごとに、手を打つ場所が違います。窓から入る熱、部屋の中の空気の回り方、背中にふれる寝具、エアコンの内側、外に出たときの体。当てはまるものから読んでください。 - 冬の困りごと:暖房をつけても足元が寒い
加湿器を強くすると窓が濡れ、窓の水滴を減らそうとすると今度は部屋が乾く。冬は、この2つが同じ時期に起きます。
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