暮らしの知恵ノート

ズワイガニの返礼品、1キロと書いてあっても1キロ食べられるとはかぎりません

2026/9/3

ふるさと納税の返礼品(寄付のお礼に届く品)でズワイガニを探すと、一覧にはグラム数の書かれた品が並びます。寄付額もグラム数に応じて上がるので、寄付額をグラム数で割って比べたくなります。

ところが、そのグラム数をどの状態で量ったかは、品ごとにまちまちです。氷の膜まで入れた数字と、解かしたあとに残る数字が、どちらも「1キロ」と書かれて隣に並んでいます。

寄付額を比べる前に、姿・脚・むき身のどのかたちにするかを決めてください。

この記事はこんな方に向けて書いています

  • ズワイガニの返礼品を、寄付額とグラム数で比べようとしている
  • 内容量の欄に、なぜ2つの重さが書いてあるのか知りたい
  • 越前がにや松葉がにのタグが、何を証明しているのか知りたい

ズワイガニの返礼品は、グラム数の順に並んでいます

ふるさと納税のサイトでカニの一覧を開くと、品は寄付額の高い順か、グラム数の多い順に並びます。同じ2万円の枠に、姿1杯、脚だけ1キロ、むき身800グラムが混ざっています。

比べるときによく使われるのが、寄付額をグラム数で割る計算です。1グラムあたり20円と28円なら、20円を選びたくなります。

ところが、割る側のグラム数は量り方がそろっていません。表示の重さから口に入るまでに、量が減るところが3つあります。

  1. 表面に付けた氷の膜
  2. 姿に付いてくる甲羅や殻
  3. 解かしたときに流れ出る水

表示の重さからこの3つを引いた残りが、食卓へ出る量になります。

グラム数を量って箱に書くのは、カニを凍らせた加工場です

自治体が決めるのは寄付額です。カニを凍らせて量り、箱に数字を書くのは加工場です。

同じ「1キロ」と書かれた姿1杯とポーションを並べ、姿には甲羅と殻が、ポーションには表面の氷が重さに含まれていることを積み上げで示した図。口に入る身の量が違う

加工場は、冷凍のカニの表面を薄い氷の膜でくるんでから出荷します。この処理をグレーズと呼びます。むき出しで置くと、身の水分が抜けて白く乾いてしまうためです。

豊洲市場ドットコムは、この氷の膜を15〜20パーセントほどと書いています。1キロの箱なら、150グラムから200グラムが氷という計算です。

重さの表示には、2つの書き方があります。

ぎょれん(北海道漁業協同組合連合会)の通販ページには、「グレーズ処理前の冷凍状態で測定した重量」と書かれた品があります。氷を付ける前に量った重さという意味なので、この表記はネット重量と同じです。

重さが1つしか書かれていないページでは、総重量なのかネット重量なのかが分かりません。同じ寄付額で迷ったら、重さが2つ書いてあるページを開いてください。

姿のグラム数には、甲羅と殻も入ります

2つめの目減りは、カニのかたちによるものです。返礼品のズワイガニには、3つのかたちがあります。

かたち 量った重さに入るもの 届いてからやること
姿 甲羅・殻・身・カニミソ 甲羅を外して脚を切り分ける
カット足 脚と肩の殻・身 殻に沿って身を外す
ポーション むき身だけ そのまま鍋か皿へ

姿を選ぶと、甲羅に付いたカニミソも食べられます。甲羅を器にして脚の身を入れる食べ方も、姿でしかできません。そのかわり、量った数字には甲羅と殻の重さも含まれています。

殻が重さのどれだけを占めるかは、商品ページには書かれていません。カニは脱皮を重ねて大きくなるので、脱皮からの日数によって殻の厚みに差があります。

寄付額あたりの量は、同じかたちどうしで比べてください。姿1キロとポーション1キロでは、割り算しても比べたことになりません。

姿は損ということですか

損ではありません。甲羅のカニミソは姿にしか付いてこないので、姿どうしで比べてください。

何グラム要るかは、カニが主役かどうかで決まります

ここからは、何グラムあれば足りるかを計算します。

豊洲市場ドットコムは、1人あたりの目安をネット重量で3段に分けています。ほかにおかずがある日は150グラムから200グラム。カニを主役にする日は約400グラム、たっぷり食べる日は約500グラムです。

4人でカニを主役にするなら、ネット重量で1.6キロ要ります。

箱に1.3キロと書かれていても、解けたあとに約1キロしか残らないなら、4人で食べる日には足りません。

ネット重量を箱に書いてあるページには、たとえば生冷凍のズワイ蟹棒ポーション(500g×2)があります。500グラムが2袋なので、解けたあとに何グラム残るかが申し込む前に分かります。まだレビューが付いていない品なので、寄付額とネット重量で判断してください。

生冷凍のズワイ蟹棒ポーション(500g×2)

寄付額28,000円

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人数と食べ方を先に決めて、ネット重量で足りるかを確かめてください。寄付額をグラム数で割るのは、そのあとです。

ブランド名と等級は、水揚げした港が決めています

グラム数のつぎに目に入るのが、越前がにや松葉がにといった名前です。この名前も、県が付けたものではありません。

越前がにとは、福井県の漁港へ水揚げされた雄のズワイガニです。どの海域で獲れたかには関係なく、どこの港へ揚げたかで名前が決まります。

越前がにの証しは、はさみの根元に付ける黄色いタグです。タグの長さは20センチほどで、ブランド名と、揚げた漁港の名前が刻まれています。このタグは、越前町の漁協が1997年に付けはじめました。

港ごとに、カニの名前もタグの色も分かれます。

タグが付くのは雄だけです。港では、揚がったカニをさらに等級で分けています。兵庫県の柴山港の等級は100ほどあり、最上級の「柴山GOLD」は脚が欠けておらず1.35キロ以上のものだけです。香住港も、80から100の等級を付けています。

等級を分けるのは、おもに重さと脚の欠けです。脚は、網から引き上げるときや、船の上でカニが重なったときに欠けます。

脚が欠けていないものを等級で選ぶなら、タグ付き生松葉ガニ(1杯500g)のように、港のタグと1杯の重さが両方書いてあるページを選んでください。

タグ付き生松葉ガニ(1杯500g)

寄付額30,000円

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べにずわいがには、同じグラム数でも身の詰まり方が分かれます

売り場ではどちらも「ズワイガニ」の名で並びますが、ずわいがにとべにずわいがには別の種類です。

ずわいがに べにずわいがに
住む水深 200〜400メートル 500〜2,500メートル
日本海の漁期 11月6日〜3月20日(雄) 9月ごろ〜翌年5〜6月ごろ
身の入り 詰まっている 細めで、水分が多い
生きているときの色 茶色がかっている 赤い
寄付額 高い 低い

同じ1キロでも殻から出る身の量に差があるのは、脚の太さが違うためです。べにずわいがには獲れる量が多く、漁のある月もずわいがにの倍ほどあるので、寄付額は低めに設定されています。

ゆでるとどちらも赤くなるので、色では見分けられません。見分けるには、名称の欄を見てください。

べにずわいがには、避けたほうがよいですか

避ける必要はありません。身が細いぶん殻から外しやすく、汁物や炒めものに使えます。姿で食卓に出す日だけ、名称の欄を見てください。

セコガニは、重さで比べると雄に及びません

グラム数の順に並べると、いちばん下に来るのが雌です。雌は1杯150グラムから300グラムで、重さは雄の3分の1ほど。

軽くても雌を選ぶ人がいるのは、雄にはない内子と外子があるからです。雌は甲羅の中に内子、腹の外に外子を抱えています。内子は産む前の卵巣で、オレンジ色。外子は茶色の卵で、粒がはっきり分かれています。

雌の呼び名は、産地ごとにばらばらです。福井では「せいこがに」、石川と富山では「香箱ガニ」、京都と兵庫では「セコガニ」、鳥取では「親ガニ」と呼ばれています。

雌の漁は11月6日に始まり、12月31日で終わります。雄の漁が3月20日まで続くのに対して、雌はおよそ2か月です。石川県では、さらに短く12月29日で終わります。雌の漁期が短いのは、卵を持つ群れが減ると、翌年に生まれるカニの数もそのまま減るためです。

漁期が2か月しかない雌を頼むなら、釜茹でセコガニの姿(1杯約120g・杯数が選べる)のように杯数を選べるページだと探しやすくなります。

★4.261件

釜茹でセコガニの姿(1杯約120g・杯数が選べる)

寄付額18,000円

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生とボイルでは、解かしたあとに残るグラム数が分かれます

3つめの目減りは、解凍で出る水です。ぎょれんの説明では、凍らせると細胞の中の水分が抜けやすくなり、解かすときに重さが減ります。

冷凍のズワイガニは、ゆでてから凍らせたものと、ゆでずに凍らせたものに分かれ、ページでは「ボイル」「生冷凍」と表示されています。

ボイルは、解かせばそのまま食べられる状態です。ぎょれんが挙げているのは、冷蔵庫でまる一日かけて戻すやり方です。ゆっくり戻すほど、流れ出る水は少なくなります。急ぐときは常温に3時間から4時間置き、8割ほど解けたところで止めてください。

生冷凍は、焼き物・鍋・しゃぶしゃぶに向きます。加熱したときに出るだしが濃いためです。解かすときは袋に入れて細い流水にあて、芯が凍ったままの状態で止めます。時間は10分から20分が目安です。

ボイルも生冷凍も、電子レンジでの解凍と、たっぷりの湯でのゆで直しは避けてください。ぎょれんは、この2つを味を大きく損なうやり方として挙げています。

受付は、枠が埋まった時点で終わります

かたちと量が決まったら、最後に申し込む月を決めます。

日本海のズワイガニ漁の解禁日は、11月6日です。福井・石川・京都・兵庫・鳥取の港が同じ日に船を出し、雄の漁は3月20日までです。

産地のタグが付いた姿の多くは、解禁より前に受付が始まります。まだ獲れていないものを先に申し込んでおく受付を、先行予約と呼びます。10月に申し込んで、11月以降に届く形です。

申し込むときに見るのは、締切の日付ではなく、ページに書かれた受付の数です。受付の数が上限に達すれば、締切より前でも受付は終わります。タグは港の等級に達した1杯にしか付かないので、自治体が出せる数は、その日に揚がった数より少なくなります。

北海道のズワイガニは、11月6日の解禁とは別の日程です。オホーツク海と日本海で獲れ、水揚げがあるのは3月から6月と、11月から12月です。

届く月と冷凍庫の空きを先に確かめます

12月は、カニの発送が重なります。先行予約で申し込んだぶんと、年末に向けて申し込まれたぶんが、同じ月に集まるからです。

ふるさと納税のポータル(申し込みサイト)には、配送日を指定できる特集があります。ただし自治体と提供元の事情で、指定を受けられない品もあります。

順次発送というのは、用意できた順に送るという意味です。着く日を決められないので、留守にしがちなら、月を選べるページを探してください。

冷凍の姿は箱に入ったまま届き、脚を広げた幅のぶんだけ冷凍庫の場所を取ります。冷凍庫の棚を1段空けてから申し込んでください。

カニを12月に、ほかの品を1月に受け取る組み方もできます

返礼品のページで、どの欄を見るか

ここまでの話を、返礼品のページのどの欄で確かめるかの表にまとめます。

見る欄 分かること
内容量 総重量か、ネット重量か
かたち 姿・カット足・ポーションのどれか
名称・原材料名 ずわいがにか、べにずわいがにか
産地・水揚げの港 タグが付くか
雌雄の表示 雄か、セコガニ(雌)か
加熱の有無 ボイルか、生冷凍か
配送時期 月を選べるか、順次発送か

内容量とかたちは、寄付額を割る前に決めておきます。控除の上限や申告のしかたは、自治体とポータルの案内で確かめてください。

よくある質問

Q. 内容量の数字が1つしか書いていないときは、どう見ればよいですか?

氷の膜を含んだ数字として見てください。豊洲市場ドットコムは氷の膜を15〜20パーセントほどとしているので、1キロなら800グラムから850グラムが身の目安です。

Q. タグが付いていないズワイガニは、身が落ちますか?

落ちるとは限りません。タグが示すのは、雄であること、その港へ揚げたこと、港の等級に届いたことの3つです。脚が1本欠けただけで、タグが付かないカニもあります。

Q. セコガニと香箱ガニは、別のカニですか?

同じものです。ズワイガニの雌を、産地ごとに呼び分けています。福井ではせいこがに、石川と富山では香箱ガニ、鳥取では親ガニと呼びます。

Q. 先行予約で申し込むと、いつ届きますか?

届くのは、ページに書かれた発送時期です。日本海の漁が11月6日に始まるので、活とゆでたてが届くのは11月以降です。冷凍のカット足には、漁と関わりなく発送されるものもあります。

Q. 産地がロシアやカナダと書かれた品も、ずわいがにですか?

ずわいがには日本海のほかでも獲れるので、輸入したものを国内で加工した返礼品があります。産地のタグが付くのは、日本海の港へ揚げたものだけです。

まとめ

まずは、内容量の欄に数字が2つ書いてあるかを見てください。

11月のほかの魚介は、11月の魚介カレンダーに真ダラや甘エビと並べてあります。

12か月ぶんは魚介・海鮮の旬カレンダーにまとめました。

この記事で挙げたものを、もう一度並べます。

生冷凍のズワイ蟹棒ポーション(500g×2)

寄付額28,000円

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タグ付き生松葉ガニ(1杯500g)

寄付額30,000円

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★4.261件

釜茹でセコガニの姿(1杯約120g・杯数が選べる)

寄付額18,000円

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商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。

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