ふるさと納税の返礼品(寄付のお礼に届く品)でズワイガニを探すと、一覧にはグラム数の書かれた品が並びます。寄付額もグラム数に応じて上がるので、寄付額をグラム数で割って比べたくなります。
ところが、そのグラム数をどの状態で量ったかは、品ごとにまちまちです。氷の膜まで入れた数字と、解かしたあとに残る数字が、どちらも「1キロ」と書かれて隣に並んでいます。
寄付額を比べる前に、姿・脚・むき身のどのかたちにするかを決めてください。
この記事はこんな方に向けて書いています
- ズワイガニの返礼品を、寄付額とグラム数で比べようとしている
- 内容量の欄に、なぜ2つの重さが書いてあるのか知りたい
- 越前がにや松葉がにのタグが、何を証明しているのか知りたい
ズワイガニの返礼品は、グラム数の順に並んでいます
ふるさと納税のサイトでカニの一覧を開くと、品は寄付額の高い順か、グラム数の多い順に並びます。同じ2万円の枠に、姿1杯、脚だけ1キロ、むき身800グラムが混ざっています。
比べるときによく使われるのが、寄付額をグラム数で割る計算です。1グラムあたり20円と28円なら、20円を選びたくなります。
ところが、割る側のグラム数は量り方がそろっていません。表示の重さから口に入るまでに、量が減るところが3つあります。
- 表面に付けた氷の膜
- 姿に付いてくる甲羅や殻
- 解かしたときに流れ出る水
表示の重さからこの3つを引いた残りが、食卓へ出る量になります。
グラム数を量って箱に書くのは、カニを凍らせた加工場です
自治体が決めるのは寄付額です。カニを凍らせて量り、箱に数字を書くのは加工場です。

加工場は、冷凍のカニの表面を薄い氷の膜でくるんでから出荷します。この処理をグレーズと呼びます。むき出しで置くと、身の水分が抜けて白く乾いてしまうためです。
豊洲市場ドットコムは、この氷の膜を15〜20パーセントほどと書いています。1キロの箱なら、150グラムから200グラムが氷という計算です。
重さの表示には、2つの書き方があります。
- 総重量 … 氷の膜を含んだ重さ
- ネット重量(解凍後の賞味重量) … 氷を除いた、身の重さ
ぎょれん(北海道漁業協同組合連合会)の通販ページには、「グレーズ処理前の冷凍状態で測定した重量」と書かれた品があります。氷を付ける前に量った重さという意味なので、この表記はネット重量と同じです。
重さが1つしか書かれていないページでは、総重量なのかネット重量なのかが分かりません。同じ寄付額で迷ったら、重さが2つ書いてあるページを開いてください。
姿のグラム数には、甲羅と殻も入ります
2つめの目減りは、カニのかたちによるものです。返礼品のズワイガニには、3つのかたちがあります。
| かたち | 量った重さに入るもの | 届いてからやること |
|---|---|---|
| 姿 | 甲羅・殻・身・カニミソ | 甲羅を外して脚を切り分ける |
| カット足 | 脚と肩の殻・身 | 殻に沿って身を外す |
| ポーション | むき身だけ | そのまま鍋か皿へ |
姿を選ぶと、甲羅に付いたカニミソも食べられます。甲羅を器にして脚の身を入れる食べ方も、姿でしかできません。そのかわり、量った数字には甲羅と殻の重さも含まれています。
殻が重さのどれだけを占めるかは、商品ページには書かれていません。カニは脱皮を重ねて大きくなるので、脱皮からの日数によって殻の厚みに差があります。
寄付額あたりの量は、同じかたちどうしで比べてください。姿1キロとポーション1キロでは、割り算しても比べたことになりません。
姿は損ということですか
損ではありません。甲羅のカニミソは姿にしか付いてこないので、姿どうしで比べてください。
何グラム要るかは、カニが主役かどうかで決まります
ここからは、何グラムあれば足りるかを計算します。
豊洲市場ドットコムは、1人あたりの目安をネット重量で3段に分けています。ほかにおかずがある日は150グラムから200グラム。カニを主役にする日は約400グラム、たっぷり食べる日は約500グラムです。
4人でカニを主役にするなら、ネット重量で1.6キロ要ります。
箱に1.3キロと書かれていても、解けたあとに約1キロしか残らないなら、4人で食べる日には足りません。
ネット重量を箱に書いてあるページには、たとえば生冷凍のズワイ蟹棒ポーション(500g×2)があります。500グラムが2袋なので、解けたあとに何グラム残るかが申し込む前に分かります。まだレビューが付いていない品なので、寄付額とネット重量で判断してください。
人数と食べ方を先に決めて、ネット重量で足りるかを確かめてください。寄付額をグラム数で割るのは、そのあとです。
ブランド名と等級は、水揚げした港が決めています
グラム数のつぎに目に入るのが、越前がにや松葉がにといった名前です。この名前も、県が付けたものではありません。
越前がにとは、福井県の漁港へ水揚げされた雄のズワイガニです。どの海域で獲れたかには関係なく、どこの港へ揚げたかで名前が決まります。
越前がにの証しは、はさみの根元に付ける黄色いタグです。タグの長さは20センチほどで、ブランド名と、揚げた漁港の名前が刻まれています。このタグは、越前町の漁協が1997年に付けはじめました。
港ごとに、カニの名前もタグの色も分かれます。
- 京都府の間人港 … 間人がに。緑のタグ
- 兵庫県の津居山港 … 津居山かに。青のタグ
- 石川県の漁港 … 加能がに
- 鳥取・島根・兵庫・京都の港のものは、まとめて松葉がに
タグが付くのは雄だけです。港では、揚がったカニをさらに等級で分けています。兵庫県の柴山港の等級は100ほどあり、最上級の「柴山GOLD」は脚が欠けておらず1.35キロ以上のものだけです。香住港も、80から100の等級を付けています。
等級を分けるのは、おもに重さと脚の欠けです。脚は、網から引き上げるときや、船の上でカニが重なったときに欠けます。
脚が欠けていないものを等級で選ぶなら、タグ付き生松葉ガニ(1杯500g)のように、港のタグと1杯の重さが両方書いてあるページを選んでください。
べにずわいがには、同じグラム数でも身の詰まり方が分かれます
売り場ではどちらも「ズワイガニ」の名で並びますが、ずわいがにとべにずわいがには別の種類です。
| ずわいがに | べにずわいがに | |
|---|---|---|
| 住む水深 | 200〜400メートル | 500〜2,500メートル |
| 日本海の漁期 | 11月6日〜3月20日(雄) | 9月ごろ〜翌年5〜6月ごろ |
| 身の入り | 詰まっている | 細めで、水分が多い |
| 生きているときの色 | 茶色がかっている | 赤い |
| 寄付額 | 高い | 低い |
同じ1キロでも殻から出る身の量に差があるのは、脚の太さが違うためです。べにずわいがには獲れる量が多く、漁のある月もずわいがにの倍ほどあるので、寄付額は低めに設定されています。
ゆでるとどちらも赤くなるので、色では見分けられません。見分けるには、名称の欄を見てください。
べにずわいがには、避けたほうがよいですか
避ける必要はありません。身が細いぶん殻から外しやすく、汁物や炒めものに使えます。姿で食卓に出す日だけ、名称の欄を見てください。
セコガニは、重さで比べると雄に及びません
グラム数の順に並べると、いちばん下に来るのが雌です。雌は1杯150グラムから300グラムで、重さは雄の3分の1ほど。
軽くても雌を選ぶ人がいるのは、雄にはない内子と外子があるからです。雌は甲羅の中に内子、腹の外に外子を抱えています。内子は産む前の卵巣で、オレンジ色。外子は茶色の卵で、粒がはっきり分かれています。
雌の呼び名は、産地ごとにばらばらです。福井では「せいこがに」、石川と富山では「香箱ガニ」、京都と兵庫では「セコガニ」、鳥取では「親ガニ」と呼ばれています。
雌の漁は11月6日に始まり、12月31日で終わります。雄の漁が3月20日まで続くのに対して、雌はおよそ2か月です。石川県では、さらに短く12月29日で終わります。雌の漁期が短いのは、卵を持つ群れが減ると、翌年に生まれるカニの数もそのまま減るためです。
漁期が2か月しかない雌を頼むなら、釜茹でセコガニの姿(1杯約120g・杯数が選べる)のように杯数を選べるページだと探しやすくなります。
生とボイルでは、解かしたあとに残るグラム数が分かれます
3つめの目減りは、解凍で出る水です。ぎょれんの説明では、凍らせると細胞の中の水分が抜けやすくなり、解かすときに重さが減ります。
冷凍のズワイガニは、ゆでてから凍らせたものと、ゆでずに凍らせたものに分かれ、ページでは「ボイル」「生冷凍」と表示されています。
ボイルは、解かせばそのまま食べられる状態です。ぎょれんが挙げているのは、冷蔵庫でまる一日かけて戻すやり方です。ゆっくり戻すほど、流れ出る水は少なくなります。急ぐときは常温に3時間から4時間置き、8割ほど解けたところで止めてください。
生冷凍は、焼き物・鍋・しゃぶしゃぶに向きます。加熱したときに出るだしが濃いためです。解かすときは袋に入れて細い流水にあて、芯が凍ったままの状態で止めます。時間は10分から20分が目安です。
ボイルも生冷凍も、電子レンジでの解凍と、たっぷりの湯でのゆで直しは避けてください。ぎょれんは、この2つを味を大きく損なうやり方として挙げています。
受付は、枠が埋まった時点で終わります
かたちと量が決まったら、最後に申し込む月を決めます。
日本海のズワイガニ漁の解禁日は、11月6日です。福井・石川・京都・兵庫・鳥取の港が同じ日に船を出し、雄の漁は3月20日までです。
産地のタグが付いた姿の多くは、解禁より前に受付が始まります。まだ獲れていないものを先に申し込んでおく受付を、先行予約と呼びます。10月に申し込んで、11月以降に届く形です。
申し込むときに見るのは、締切の日付ではなく、ページに書かれた受付の数です。受付の数が上限に達すれば、締切より前でも受付は終わります。タグは港の等級に達した1杯にしか付かないので、自治体が出せる数は、その日に揚がった数より少なくなります。
北海道のズワイガニは、11月6日の解禁とは別の日程です。オホーツク海と日本海で獲れ、水揚げがあるのは3月から6月と、11月から12月です。
届く月と冷凍庫の空きを先に確かめます
12月は、カニの発送が重なります。先行予約で申し込んだぶんと、年末に向けて申し込まれたぶんが、同じ月に集まるからです。
ふるさと納税のポータル(申し込みサイト)には、配送日を指定できる特集があります。ただし自治体と提供元の事情で、指定を受けられない品もあります。
順次発送というのは、用意できた順に送るという意味です。着く日を決められないので、留守にしがちなら、月を選べるページを探してください。
冷凍の姿は箱に入ったまま届き、脚を広げた幅のぶんだけ冷凍庫の場所を取ります。冷凍庫の棚を1段空けてから申し込んでください。
カニを12月に、ほかの品を1月に受け取る組み方もできます
返礼品のページで、どの欄を見るか
ここまでの話を、返礼品のページのどの欄で確かめるかの表にまとめます。
| 見る欄 | 分かること |
|---|---|
| 内容量 | 総重量か、ネット重量か |
| かたち | 姿・カット足・ポーションのどれか |
| 名称・原材料名 | ずわいがにか、べにずわいがにか |
| 産地・水揚げの港 | タグが付くか |
| 雌雄の表示 | 雄か、セコガニ(雌)か |
| 加熱の有無 | ボイルか、生冷凍か |
| 配送時期 | 月を選べるか、順次発送か |
内容量とかたちは、寄付額を割る前に決めておきます。控除の上限や申告のしかたは、自治体とポータルの案内で確かめてください。
よくある質問
Q. 内容量の数字が1つしか書いていないときは、どう見ればよいですか?
氷の膜を含んだ数字として見てください。豊洲市場ドットコムは氷の膜を15〜20パーセントほどとしているので、1キロなら800グラムから850グラムが身の目安です。
Q. タグが付いていないズワイガニは、身が落ちますか?
落ちるとは限りません。タグが示すのは、雄であること、その港へ揚げたこと、港の等級に届いたことの3つです。脚が1本欠けただけで、タグが付かないカニもあります。
Q. セコガニと香箱ガニは、別のカニですか?
同じものです。ズワイガニの雌を、産地ごとに呼び分けています。福井ではせいこがに、石川と富山では香箱ガニ、鳥取では親ガニと呼びます。
Q. 先行予約で申し込むと、いつ届きますか?
届くのは、ページに書かれた発送時期です。日本海の漁が11月6日に始まるので、活とゆでたてが届くのは11月以降です。冷凍のカット足には、漁と関わりなく発送されるものもあります。
Q. 産地がロシアやカナダと書かれた品も、ずわいがにですか?
ずわいがには日本海のほかでも獲れるので、輸入したものを国内で加工した返礼品があります。産地のタグが付くのは、日本海の港へ揚げたものだけです。
まとめ
- 表示のグラム数から、氷の膜・甲羅と殻・解凍で流れ出る水の3つが引かれる
- 氷の膜は15〜20パーセントほど。身の重さにあたるのは、ネット重量と書かれた数字
- グラム数を量って箱に書いているのは、自治体ではなく、カニを凍らせた加工場
- 1人あたりの目安はネット重量で、カニを主役にするなら約400グラム
- ブランド名と等級を決めているのは、県ではなく水揚げした港。タグが付くのは雄だけ
- 書かれた受付の数に届くと、締切の日付より前でも受付が閉じる
まずは、内容量の欄に数字が2つ書いてあるかを見てください。
11月のほかの魚介は、11月の魚介カレンダーに真ダラや甘エビと並べてあります。
12か月ぶんは魚介・海鮮の旬カレンダーにまとめました。
この記事で挙げたものを、もう一度並べます。
商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。
この話に出てきた返礼品を、まとめて見る
- 11月の魚介・海鮮
カニもいくらも、食べたい月になってから探すと売り切れていることがあります。申し込みの受付は、食べたい月の数か月前に始まります。申し込みの目安は、ウニが5月ごろ、いくらが8月ごろ、ズワイガニが10月ごろです。 - ふるさと納税 魚介・海鮮の旬カレンダー
カニもいくらも、食べたい月になってから探すと売り切れていることがあります。申し込みの受付は、食べたい月の数か月前に始まります。申し込みの目安は、ウニが5月ごろ、いくらが8月ごろ、ズワイガニが10月ごろです。
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