ふるさと納税の返礼品(寄付のお礼に届く品)で甘エビを探すと、「約500g」「約40尾」と書いたページが並びます。どれも冷凍で届くので、寄付額と量だけ比べれば済みそうに見えます。
甘エビは冷蔵庫でゆっくり解かすもの、と覚えている人も多いはずです。
ところが返礼品のページを1件ずつ開くと、解かし方が書いてあるページは、どれも流水で解かすように書いています。
ページごとにばらばらなのは、期限と、子持ちかどうかです。期限は、到着日から15日のページもあれば、冷凍で60日のページもあります。子持ちかどうかを選べないページがあることにも、注意が必要です。
期限も子持ちかどうかも、寄付額の欄には出てきません。そのため、子持ちが要るかどうかと、何日で食べきるかを先に決めておいてください。
この記事はこんな方に向けて書いています
- 甘エビの返礼品が多すぎて、寄付額のほかに何で選べばよいか分からない
- 子持ちの甘エビを頼みたいが、どのページなら確実に届くのか知りたい
- 40尾が一度に届いて、食べきれるか心配している
船の上で凍らせるか、港で凍らせるか
甘エビは、水深250メートルから600メートルほどの深い海にすむエビです(新潟県の案内)。返礼品で届く甘エビは、ほとんどが冷凍です。
凍らせる場所は、送り出す事業者によって違います。
- 福井県坂井市の漁船「共栄丸」は、船の中でマイナス60度で凍らせています
- 福井県小浜市の問屋は、競り落としたその日のうちに凍らせています
- 新潟県村上市の鮮魚店は、獲れたものをすぐパックして凍らせています
返礼品のページには、こうした事業者の名前が載っています。期限や子持ちかどうかの書き方は、事業者ごとに違います。
九州の「甘エビ」は別のエビ
最初に確かめるのは、エビの種類です。
北陸で甘エビと呼ばれているエビの正式な名前は、ホッコクアカエビです。新潟県では同じエビを、赤い唐辛子に似ていることから「南蛮エビ」と呼びます。
「甘エビ」を名乗る返礼品は九州にもありますが、こちらはホッコクアカエビとは別のエビです。
| 名称の欄の書き方 | 正式な名前 | 主な産地 |
|---|---|---|
| 甘エビ・甘えび | ホッコクアカエビ | 福井・石川・兵庫・北海道など |
| 南蛮エビ | ホッコクアカエビ | 新潟 |
| 薩摩甘エビ・タカエビ | ヒゲナガエビ | 鹿児島 |
| 日向灘の甘エビ・アカスエビ | ヒゲナガエビ | 宮崎 |
ヒゲナガエビも深い海のエビで、甘みがあることから甘エビの名前で売られています。鹿児島県のブランドの案内も、「アマエビのような甘さ」と紹介しています。
北陸の甘エビを食べたいなら、原材料名か産地の欄を見てください。小浜市や美浜町のページには、原材料名に「ホッコクアカエビ」と書いてあります。
子持ちが欲しいときの選び方
福井県の観光サイトによると、子持ちの甘エビは、腹に青い卵を抱えています。
甘エビは、生まれたときはオスで、4歳から6歳でメスになります(新潟県の案内)。大きく育ったものがメスです。
メスは3月から4月ごろに卵を産み、ふ化する翌年の1月から2月ごろまで、10か月ほど腹に抱えています(北海道立総合研究機構の案内)。卵がかえってから次の卵を産むまでの春先は、腹に卵の無いメスがいることになります。坂井市の訳ありのページにも、4月は子無しを届けることが多いと書いてあります。
子持ちかどうかを選べないページがあることにも、注意が必要です。坂井市の「共栄丸」と金沢港の石川県漁協のページは、どちらも子持ちか子無しかは選べないと書いています。その時期に獲れたものが、そのまま届くということです。
子持ちが欲しいなら、名称に「子持ち」か「卵あり」と書いたページを選んでください。小浜市・敦賀市・美浜町に、名称にそう書いたページがあります。
名称に子持ちと書いた返礼品のうち、2026年9月に見た時点でレビューがいちばん多かったのが、小浜市の小浜市の子持ち甘えび(刺身用・500g〜1kg)です。500グラムから1キロまで量を選べて、決済から5日前後で出荷と書かれています。
このページは尾数を書いていないので、1尾あたりの大きさは分かりません。
1尾の大きさの出し方
エビの種類と、子持ちかどうかが決まったら、次は大きさです。
多くのページは、内容量と尾数を並べて書いています。内容量を尾数で割ると、1尾あたりのグラム数が出ます。
| ページ | 内容量 | 尾数 | 1尾あたり |
|---|---|---|---|
| 坂井市 共栄丸(中) | 約550g | 約40尾 | 約14g |
| 美浜町(卵あり・中) | 500g | 約35尾 | 約14g |
| 敦賀市(子持ち) | 約500g | 約30尾 | 約17g |
| 村上市 南蛮エビ | 1kg | 約60尾 | 約17g |
| 香美町(刺身用) | 約700〜800g | 30〜40尾 | 約18〜27g |
数字は2026年9月に見た、それぞれのページの表示です。
同じ寄付額で迷ったら、1尾あたりの重さが大きいページを選ぶと、大きめの甘エビが届きやすくなります。
大きさの目安になるのは、福井県の分け方です。福井県の観光サイトは、甘エビを「子持ち・大・中」などに分けていて、中の目安を12グラム前後としています。表の計算では、どのページも12グラムを上回ります。
ただし、坂井市のページによると、冷凍の甘エビは表面が薄い氷の膜でくるまれています。内容量の表示に氷の重さが入っているかどうかは、どのページにも書いてありません。そのため、1尾あたりの重さは目安として見てください。
食べきるまでの日数は、ページによって大きく違います
大きさの次は、何日で食べきるかを決めます。消費期限か賞味期限の欄を見てください。ページごとの差がいちばん大きいのは、この欄です。
| ページ | 冷凍で置ける日数 | 解かしたあと |
|---|---|---|
| 坂井市 共栄丸 | 到着日から15日以内 | 解凍日から1日以内 |
| 小浜市 | 出荷日から30日以内 | 書いていない |
| 敦賀市 | 発送日から約1か月以内 | 書いていない |
| 美浜町 | 発送日から1か月以内 | 書いていない |
| 香美町 | 冷凍で60日 | 冷蔵で2日 |
| 村上市 | 加工日から冷凍で60日 | 書いていない |
短いものは到着日から15日、長いものは冷凍で60日です。数え始めの日も、到着日・出荷日・発送日・加工日とページごとに違います。香美町のページは、いつから数えるかを書いていません。
坂井市のページには、家庭の冷凍庫は業務用の冷凍庫より温度が高いので、冷凍でも早めに食べてほしいと書いてあります。
届いてから2週間のうちに食べきるなら、到着日から15日のページでも間に合います。坂井市の三国「共栄丸」の船内凍結 甘えび(中・550g/約40尾)は、2026年9月に見た時点で、甘エビの返礼品でいちばんレビューが多いページです。550グラムの箱に約40尾が入っていて、箱の数を選べます。
2週間から1か月のあいだに食べきるなら、出荷日か発送日から1か月ほどのページを選んでください。小浜市・敦賀市・美浜町のページがこれにあたります。
1か月より長く冷凍庫に置いておくなら、選ぶのは冷凍で60日と書いたページです。兵庫県香美町の香美町の刺身用 甘えび(約700〜800g・30〜40尾)は、賞味期限が冷凍で60日、解かしたあとの消費期限が冷蔵で2日と書いています。1尾は約18〜27グラムで、表に並べた中では大きめです。
香美町の甘エビは、届く日を指定できません。水揚げの具合で、発送の時期が大きく前後することもある、とページに書いてあります。
届く月と、年末の発送
何日で食べきるかが決まったら、次はいつ届くかです。
村上市のページには、甘エビは年中水揚げされるエビだと書いてあります。ただ、ブランドの名前が付くのは決まった月に獲れたものだけで、発送する月を限っているページもあります。
福井県が「ふくい甘えび」として認めているのは、5月から1月に獲れたものです。7月・8月に大和堆で獲れたものは除きます。2月から4月に獲れたものには、この名前は付きません。
村上市の南蛮エビは、11月以降に発送するページです。気温や水温が高いとエビの色が落ちるので、寒い時期に限って送っている、と書いています。
年末は、発送が混み合います。
- 小浜市は、12月中旬から翌年1月中旬まで、発送の日程が変わることがあると書いています
- 敦賀市には、年内の受付を12月中旬で閉じるページがあります
- 坂井市は、決済から30日前後で発送すると書いています。年末年始は注文が混み合う、ともあります
正月に食べたいなら、ページに書かれた発送の目安から逆算して申し込んでください。
解かし方は流水
届いたあとに迷うのが、解かし方です。
解かし方を書いている坂井市・敦賀市・小浜市・村上市のページは、どれも流水で解かすように書いています。冷蔵庫で時間をかけて解かすように書いたページは、見た中にはありません。肉や魚は冷蔵庫で解凍すると覚えていても、甘エビでは先に箱の指示を見てください。
敦賀市と小浜市のページは、加熱して解かすことと自然解凍を避けるように書いています。村上市のページが挙げる理由は、流水で素早く解かすと色落ちが少ないことです。
美浜町は、解凍のしかたの説明書を付けて送る、とページに書いています。
解かし方は、箱かページに書かれた指示に従ってください。
流水で解かすときは、表面の氷の膜にも気をつけてください。坂井市のページによると、この膜は流水で解かすときに流れ落ちるものです。流しきれないと、酸っぱい味が残ることがあります。流しきれなかった膜はとくに卵に残りやすいので、酸っぱいと感じたらもう一度洗うようにと書いてあります。
一度に全部解かさなくて大丈夫です。小浜市のページによると、表面の氷の膜が解けたところで、エビが1尾ずつばらばらになります。そこで食べる分だけ解かすように、と書いてあります
小浜市のページは、すっかり解かしたあとに凍らせ直すのも避けるように書いています。凍らせ直すと風味が落ちるからです。
獲れたての甘エビは、甘くありません
解かしたあと、すぐ食べるか少し置くかは、甘エビの甘さがどこから来るかに関わります。
水産物の卸会社である横浜丸魚の説明では、獲ってすぐの甘エビは甘くなく、1日たつと甘さが出てきます。
甘さが出てくるもとは、甘エビが体に持っている、たんぱく質を分解する酵素です。死んだあと、この酵素が自分の身を少しずつ分解して、身にとろみが出てきます。横浜丸魚によると、とろみが出ると甘さが引き立ちます。
船の上ですぐに凍らせた甘エビは、獲ってから1日たつ前に凍っています。そのため、解かしてすぐの甘エビは、甘みがまだ出きっていないことになります。
美浜町のページには、この性質に合わせた、解かしたあとの食べ方が書いてあります。ぷりぷりした歯ごたえを味わいたいなら、解かしてすぐに食べます。とろみと甘みを味わいたいなら、解かしたあと冷蔵庫のパーシャル室に数時間入れてから食べる、という書き方です。
パーシャル室に入れるのは、解かし終わったあとです。凍った甘エビを解かすときは、箱かページの指示に従ってください。
置いておくのは、解かしたあとの期限のうちだけにしてください。坂井市なら解凍日から1日、香美町なら冷蔵で2日です。美浜町のように、解かしたあとの期限をページに書いていないものは、箱の表示で確かめてください。
頭が黒くなったとき
解かしてから時間がたつと、甘エビの頭が黒っぽくなることがあります。
小浜市のページには、この変色は食べても害はないが、早めに食べるようにと書いてあります。
缶詰の研究をしている東洋食品研究所によると、えびが黒くなるのは、体にある酵素がアミノ酸の一種を黒い色素に変えるためです。
美浜町のページは、黒くなるのを防ぐ酸化防止剤を使っていない、と書いています。そのため、届いたら早めに食べきってください。
頭は、捨てずに使えます。村上市のページは頭を味噌汁に、香美町のページは出汁や唐揚げに使えると書いています。
黒くなったものと、傷んだものは、どう見分けますか
色だけでは決められません。解かしたあとの期限を過ぎたもの、においやぬめりがあるものは、色にかかわらず食べないでください。期限を書いていないページは、箱の表示で確かめます
よくある質問
Q. 甘エビは、生で食べても大丈夫ですか?
「刺身用」や「刺身で」と書いたページのものは、刺身で食べられます。書いていないページのものは、箱の表示で食べ方を確かめてください。解かしたあとの期限もページごとに違うので、その日数のうちに食べきってください。
Q. 子持ちと書いていないページでも、卵が付いてくることはありますか?
あります。坂井市や金沢港のページは、季節によって子持ちが届くと書いています。ただ、選ぶことはできません。
Q. 40尾を一度に食べきれないときは、どうしますか?
食べる分だけ解かします。小浜市のページによると、表面の氷の膜が解けたところで1尾ずつばらばらになります。すっかり解かしたものを凍らせ直すのは避けてください。
Q. 九州の甘エビは、北陸の甘エビとどう違いますか?
九州の返礼品は、ヒゲナガエビという別のエビです。北陸の甘エビはホッコクアカエビです。原材料名か産地の欄で見分けられます。
Q. 頭が黒くなったら、もう食べられませんか?
黒くなること自体は、傷んだ印とはかぎりません。解かしたあとの期限を過ぎたもの、においやぬめりがあるものは、色にかかわらず食べずにおきます。期限を書いていないページは、箱の表示で確かめます。
まとめ
- 期限や子持ちかどうかの書き方は、送り出す事業者ごとに違う
- 北陸の甘エビ(ホッコクアカエビ)かどうかは、原材料名か産地の欄で見る
- 子持ちが欲しいなら、名称に「子持ち」か「卵あり」と書いたページを選ぶ
- 1尾の大きさは、内容量を尾数で割って出す。同じ寄付額なら、1尾あたりの重さが大きいページを選ぶと大きめの甘エビが届きやすい。氷の膜の重さが分からないので目安として見る
- 届いてから2週間のうちに食べきるなら、到着日から15日のページでも間に合う。2週間から1か月なら出荷日か発送日から1か月ほどのページ、1か月より長く置くなら冷凍で60日のページ
- 解かし方を書いたページは、どれも流水で解かすように書いている。箱かページに書かれた指示に従う
まずは、名称と原材料名、それに消費期限か賞味期限の欄を見てください。
11月と12月のほかの魚介は、11月の魚介カレンダーと12月の魚介カレンダーに並べてあります。
この記事で挙げたものを、もう一度並べます。
商品は楽天で探して、★4.3以上のものを、レビューの多い順に並べています。 ★の数も価格も、売り切れかどうかも日ごとに書き替わります。押した先の商品ページで、いまの表示を確かめてください。
この話に出てきた返礼品を、まとめて見る
- 11月の魚介・海鮮
カニもいくらも、食べたい月になってから探すと売り切れていることがあります。申し込みの受付は、食べたい月の数か月前に始まります。申し込みの目安は、ウニが5月ごろ、いくらが8月ごろ、ズワイガニが10月ごろです。 - 12月の魚介・海鮮
カニもいくらも、食べたい月になってから探すと売り切れていることがあります。申し込みの受付は、食べたい月の数か月前に始まります。申し込みの目安は、ウニが5月ごろ、いくらが8月ごろ、ズワイガニが10月ごろです。
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