暮らしの知恵ノート

9月の日焼け止めは、いつまで塗る?やめる日ではなくSPFとPAの数字を下げます

2026/8/26

9月に入ると、朝の日ざしがやわらぎます。腕がヒリヒリすることもありません。そろそろ日焼け止めをやめようかな、と思うこと、ありませんか?

ただ、紫外線は2種類あり、弱まったと感じられるのは片方だけです。肌の表面で止まって赤みをつくるUVBが、その片方にあたります。

もう片方のUVAは雲も窓も通り抜けて、肌の奥まで届きます。UVAは当たっても熱くもヒリヒリもしないので、体では気づけません。

そのため、やめる日を勘で決めると、UVAを防ぎ損ねます。いつまで塗るかは、箱に並んだSPFとPAの表示を見て決めます。

この記事はこんな方に向けて書いています

  • 9月に入って、いつまで塗るのか迷っている
  • 日ざしの弱い日も塗る必要があるのか分からない
  • SPFとPAの、どちらを見て選ぶのか決められない

箱にSPFとPAが並んでいるのは、防ぐ相手が2種類あるからです

日焼け止めの箱には、SPF50・PA++++のように表示が並んでいます。2つ並んでいるのは、それぞれが防ぐ紫外線の種類が違うからです。

SPFは、肌の表面で止まるUVBをどれだけ防げるかをあらわす数字。何も塗らないときとくらべて、赤くなるまでの時間を何倍に延ばせるかの目安です。

PAは、奥まで届くUVAをどれだけ防げるかをあらわす+の数です。+は1つから4つまでで、いちばん多い表示が++++になります。

2種類の紫外線は、肌に届く深さで分かれます。

UVBが止まるのは表皮です。表皮の細胞が傷むと、そこが炎症を起こして赤くなります。浴びたその日に出る赤みは、この炎症です。

肌はそれ以上傷まないように、メラニン(肌を守るためにつくられる色のもと)を増やします。増えたメラニンが抜けずに残ったものがシミです。

UVAは、表皮の下の真皮まで届きます。そして真皮で肌のハリを支えているコラーゲンを傷めます。

肌の断面図。UVBは表皮までしか届かずメラニンを増やす。UVAは真皮まで届いてコラーゲンを傷める

コラーゲンの傷みは、数日では表に出ません。何年もかけて、シワとたるみの形で出てきます。

UVBを浴びるとその日の赤みと色が、UVAを浴びると何年もあとにシワとたるみが残ります。

SPFの数字が大きいものを選べば、両方ふせげますか

SPFはUVBを防ぐ力の数字です。奥まで届くUVAは、PAの+の数を見てください。

「日ざしが弱くなった」と感じさせるのは、UVBです

9月に入ると、日ざしが弱まったと感じます。そう感じさせているのは、2種類のうちのUVBです。

体で分かるのは、肌がヒリヒリする、夕方に顔がほてるといったところまでです。

いっぽうUVAに当たっても、その日のうちは何も感じません。傷んだコラーゲンが表に出るのは、何年もあとだからです。

「今日はもう平気そう」と思うとき、判断の材料になっているのはUVBだけです。UVAには、当たったことを知らせる合図がありません。赤みもヒリつきも、UVBによるものだからです。

やめる日は、体の感じ方では決められません。箱のSPFとPAの表示を見てください。

UVAは、曇りの日も窓を通ってきます

UVAに気づけない理由は、当たり方にもあります。

曇りの日でも、晴れの日の6割ほどのUVAが地上に届いています。空が白いので日ざしは弱く見えますが、雲を通るUVAの量はそこまで減りません。

UVAは窓ガラスも通り抜けます。ガラスはUVBを吸い取りますが、波の長いUVAはそのまま通します。屋内にいても、窓ぎわの席なら顔にUVAが当たります。

9月の予定を思い出してみてください。曇りの日、窓ぎわのデスク、電車の窓ぎわの座席。どれもUVBはほとんど届かず、当たっているのはUVAです。

曇りの日は塗らなくても大丈夫ですか

曇りでも、UVAは晴れの日の6割ほどが肌に届きます。空の白さは、当たる量の目安になりません。

つまずくのは、1本ですませる・曇り・薄塗りの3つ

曇りの日も窓ぎわでも塗るつもりでいても、外しやすい点が3つあります。1本ですませる、曇りに塗らない、薄くのばすの3つです。

① 1本ですませようとする

SPF50・PA++++が1本あれば、数字の上ではどの場面でも足ります。ただし、箱の表示どおりに防げるのは、決められた量(顔なら指先ふたつぶん)を塗ったときだけです。

数字の大きい1本は、塗ったあとの肌が重く感じられます。そのため朝に出す量が自然と減り、SPF50の1本でも表示どおりには防げなくなります。

通勤と買いものだけの日は、SPF20〜30の1本に持ち替えてください。塗り心地が軽くなるぶん、量を減らさずに塗れます。

② 曇りに塗らない

曇りの朝に「今日はやめておこう」と塗らなかった日にも、UVAは肌に届いています。赤くならないので、その日は何も起きていないように見えるだけです。UVAによる傷みは、何年もあとにシワとたるみになって表に出ます。

③ 薄くのばす

白く残るのが気になって、1回ぶんより少ない量を顔に出し、薄く広げる人がいます。白浮きは減りますが、防げる量も箱の表示を下回るのが難点です。

白さが気になるなら、量は減らさずに、塗るものを替えてください。紫外線吸収剤は、紫外線を熱に変えて放す成分です。吸収剤の入ったものを選ぶと、塗った肌が白くなりにくくなります。箱に「ノンケミカル」と書いていないものが、吸収剤の入ったものです。

白浮きが気になる日ほど、出す量を減らしたくなります。量は減らさずに、顔に置いてください

やめる日を決めるより、その日の場面で数字を下げます

では、いつまで塗るのか。日にちではなく、その日をどこで過ごすかで選びます。

その日の過ごし方 SPF PA
屋内で過ごす(通勤と買いもの、窓ぎわのデスク) 20〜30 ++
外を歩く(散歩・送り迎え・観光) 30〜50 +++
海や炎天下 50 ++++

秋に入って減るのは、いちばん下の「海や炎天下」で過ごす日です。上の2行の過ごし方は、9月にも10月にも残ります。

秋は、その日の予定に合わせてSPFとPAの数字を下げていきます。

屋内で過ごす日は一年じゅうあるので、塗るのをやめる日は来ません。

屋内で過ごす日なら、SPF20〜30・PA++で足ります。この範囲は、化粧下地でもよく見かける数字です。SPF30前後・PA++以上と表示された下地なら、朝に塗るものは下地1本で済みます。SPF30・PA+++の日焼け止め下地が、その1本です。

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すでに出ているシミは、日焼け止めではうすくなりません

ここまで数字を下げる話をしてきました。ここからは、日焼け止めにできないことを書きます。箱に書いてある「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」は、これからつくられるシミとそばかすの話です。すでに出ているシミをうすくしたくて日焼け止めを選んでも、数か月使って手ごたえは出ません。

化粧品にも医薬部外品(国の承認を受けた成分が、決められた量だけ入っているもの)にも、すでに出ているシミがうすくなると箱に書けるものはありません。すでに出ているシミが気になるなら、皮膚科で相談してください。シミの話はシミ・そばかすのページにまとめました。

防ぎきれずに届くぶんが、どの1本にも残ります

シミを防ぐ日焼け止めにも、限界があります。どの箱にも「完全に防ぐ」とは書いてありません。防ぎきれずに肌へ届く紫外線が残るので、塗る量と塗り直しでおぎないます。

選ぶのは、SPFの数字とPAの+の数が両方とも書かれているものです。まれに片方しか書いていない箱があります。その箱では、もう片方の紫外線をどれだけ防げるかが分かりません。

数字を上げる前に、塗る量と塗り直しを見ます

UVAもUVBも、防げる量は塗る量で決まります。同じ1本でも、塗る量が足りないと、箱のSPFとPAの表示ほどは日やけを防げません。

顔なら1回に指先ふたつぶんです。人さし指の先から第一関節まで出した量が、指先ひとつぶん。それを2回出します。

薄くのばして1回ぶんを節約すると、節約したぶんだけ、防げる量が箱の表示を下回ります。

塗り直すのは2〜3時間おきです。汗と皮脂、それに手やマスクでこすれて、塗ったものが少しずつ減っていくからです。

SPF50を朝に1回だけ塗って夕方まで塗り直さないより、SPF30を2〜3時間おきに重ねるほうが、箱に書いてあるSPF30ぶんを1日を通して保てます。

塗り忘れやすいのは、目のまわり・耳・首の後ろ・唇です

量と間隔をそろえても、そもそも手が届いていない場所が残ります。塗り忘れやすいのは、次の4か所です。

目のまわり

顔に広げるとき、手は頬と額を中心に動きます。目のきわで手が止まるので、まぶたの上と目尻に塗り残しが出ます。

目に入るとしみるので、まつ毛のきわは避けて、まぶたの上に置いてください。

耳

鏡の正面からは見えない場所です。塗り残しやすいのは、耳の上のふちと耳のうしろです。髪を耳にかける方は、耳の表も日ざしに出ます。

首の後ろ

髪をまとめた日だけ日ざしに出る場所です。鏡の正面に立っても見えないので、塗ったかどうかを目で確かめられません。

唇

唇には、口に入るので顔用のものは塗りません。SPFの表示があるリップクリームを重ねてください。

顔を塗り終えたら、最後にこの4か所を足します。耳と首の後ろは手でさわって、まぶたの上と目尻は鏡で確かめてください。唇にはリップクリームを重ねます。

ヒリつくなら、吸収剤から散乱剤へ替えます

塗り残しがなくても、塗るとしみて続けられないことがあります。そのときは、紫外線を止める成分の種類を見てください。成分は、紫外線を熱に変えて放すものと、はね返すものの2つに分かれます。

熱に変えて放すのが紫外線吸収剤です。塗った肌は白くなりにくくなります。ただし、ヒリつきを感じる人がいます。

はね返すのが紫外線散乱剤です。塗った肌は白くなりやすいものの、吸収剤でヒリついた人はこちらに替えられます。箱には「ノンケミカル」と書かれています。

吸収剤 散乱剤
止め方 熱に変えて放す はね返す
塗った肌 白くなりにくい 白くなりやすい
箱での見分け 「ノンケミカル」の表示がない 「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」
成分表示 酸化チタン・酸化亜鉛のほかにカタカナの名前が並ぶ 止めるのは酸化チタンと酸化亜鉛だけ
向く人 白浮きを避けたい方 吸収剤でヒリついた方

塗ってしみる、かゆくなるときは、そこで止めてください。箱に「ノンケミカル」と書いてある散乱剤のものに替えると、ヒリつかずに使えることがあります。白浮きが気になっていても、しみる人は散乱剤を優先してください。

顔用として売られている散乱剤の1本が紫外線吸収剤不使用の顔用日焼け止めです。

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箱の表示はSPF28・PA+++。SPFの28は、表のいちばん上の行(SPF20〜30・PA++)に収まります。PAの+が1つ多いぶん、窓ぎわの席で何時間か過ごす日でも、防げる量が表の上の行より落ちません。

ただし表の2行目、外を歩く日はSPF30〜50です。散歩や送り迎えのある日は、この1本では足りません。

散乱剤に替えてもしみるなら、原因は塗ったものではなく肌の側にあります。皮膚科で診てもらってください。

よくある質問

Q. 10月に入ったら、塗るのをやめて大丈夫ですか?

10月も塗ります。外を歩く日はSPF30〜50・PA+++のままで、屋内だけの日が増えるぶん、SPF20〜30・PA++を使う日が増えます。

UVAは窓を通り抜けるので、窓ぎわの席で過ごす日も塗ってください。

Q. SPF50を1本持っておけば、どの場面でも足りますか?

数字の上では足ります。実際に足りるかどうかは、その1本を決められた量だけ塗って、2〜3時間おきに重ねられるかで決まります。

Q. 「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」と書いてあれば、すでにあるシミもうすくなりますか?

箱に書いてあるのは、これから日やけでつくられるぶんを防ぐところまでです。すでに出ているシミがうすくなると箱に書ける化粧品・医薬部外品はありません。

すでに出ているシミが気になるなら、皮膚科で相談してください。シミの話はシミ・そばかすのページにまとめました。

Q. 家の中で過ごす日も塗りますか?

窓ぎわで過ごす時間があるなら塗ります。窓を通り抜けたUVAが、屋内でも顔に当たるからです。窓から離れた場所で過ごす日は、そこまで気にしなくて構いません。

Q. 冬になっても塗るものですか?

窓ぎわで過ごす日と外を歩く日が残るかぎり、塗る日は冬も続きます。UVAは雲も窓も通り抜けるので、季節では止まりません。冬も、外れるのは表のいちばん下の行、海や炎天下だけです。

Q. 曇りの日に塗り忘れました。どうすればよいですか?

赤みは出にくい日です。ただ、雲を通り抜けたUVAは、晴れの日の6割ほど肌に届いています。1日ぶんで慌てる必要はありませんが、次の日からまた塗ってください。

まとめ

選び方は日焼け・UV対策のページに、すでに出ているシミの話はシミ・そばかすのページにまとめました。

今日は、朝に塗っている1本の箱を見て、SPFとPAが明日の予定に合っているかを確かめてみてください。

この記事で挙げたものを、もう一度並べます。

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